13−3
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……
……ゼウス星系にある惑星デメテル
デメテルは〜
恒星ゼウスを巡る気象変動の激しい多くの惑星中、最も環境が穏やかーーーで
地質学的に調査した結果、地下資源も豊富
数少ない人間が居住可能と言われる豊かな星
クリストファー王太子達の住む、デメテルを回る最大にして最古のコロニー
コロニー都市、Dー01(ディー・ゼロワン)
周回の立地上、首都機能を持つDー01
他の……数多くの小さなコロニー群を他に従えている
クリストファー王太子はその環境で産まれ育ち
幼き日、大勢の大人達に囲まれて十重二十重に大切に守られ、かしずかれて過ごしていた
だからこそーーー……!
ただ1度のあの”奇跡の期間”は特別だったのだ
今回の襲撃事件のリーダー、最新式武器やボディアーマーで完全武装した襲撃犯
背のスラリ高いあの男ーーーーー
大切な親友『ウィンストン』
いやーーーー
「もうお前なんか友でも何でも無い!と、きっと……向こうはそう思っている事だろうなぁ…」
それでも……
未だに未練たっぷりの自分が辛かった
心がーーー痛い
ウィンストンはコロニー生粋の超名家出身、偉大な大政治家が父君の彼はクリストファー王太子にとって、許婚であるキャサリンと同様〜
一体いつからだなんて、単純に区切りなんかつけられない
兎に角、記憶に無い位の幼い子どもの頃からの、一目見てから直ぐに意気投合した大親友だった
そんなの『彼』しかいなかった
ウィンストンは学園のどの女生徒よりも美しいと評判の端正に整った白い顔
艶々サラサラの〜ホログラムコマーシャル有名モデル以上の上質な黒髪
キラキラ理知的に情熱的に煌めくグリーンアイズ
何かに夢中な時の彼の格好良さったら無かった
誰だってあの顔を見たら友人になりたいと願うだろう
そしてーー…極めつけは性格すら良かった事だった
彼を補佐するスタッフの皆に公平で平等で良い主人だったと傍目にも思う
「悪戯ばかりでハラハラ困らせる自分とは全く格が違う……!」
ウィンストンは明らかに、生まれながらに人を引きつける求心力を備えていた
嫌らしく媚びを売る様子なぞ見られないのに、常にクラスメイトや先生に明るく賑やかに囲まれていたのを思い出す
特に女生徒からの人気は圧倒的だった。
頭脳明晰
学園開設以来の神童と言われたーーー秀才
ゆうゆうと学年1位どころか、記録的な最優秀な成績をいつだって涼しい顔で取得
彼が静かに何か言うとーーー
説得力抜群
皆自然に耳を傾けた
長老格のお堅い先生方ですら、進んで彼の意見を聞きたがった
かといって『ひけらかし』はしなかった
代々ーーーー宰相…
でなければ国の中枢の大臣職を多数出す家柄とかで
家族全員もれなく凄い聡明で
しかも洩れなく <美男美女>!!
弟ウィンストンを頼りにする〜賢い姉君の美貌
まるでお人形みたいなカワイイ二人のとびきりの妹達
王太子のクリストファーですら、端で見ていても羨ましくなる程の幸福な姉弟…妹愛だった
しかし〜……
『しかし』であった
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