エピソード2・大親友ウィンストン 13−1
次にーーー……クリストファーが覚醒したのは『真っ白な部屋』
ゆるゆると意識を取り戻した
『どこだここ?……』
部屋中真っ白のカラーリングに統一されたクリーンな空気が満ちた清潔な部屋
彼は中央設置の、床からフワリと浮き上がる『無重力ベット』の上に丁寧に寝かされていた
ススと砂や泥で汚れた衣類は全て取り除かれ、上下別れた2部式デザインである純白で軽量、なんとも言えず着心地の良い介護服を着用していた
様々な医療用チューブと電極シールが体にはられたはいたものの
いきなりで収容者にパニック的嫌悪感を与えない配慮なのだろうか?
視界に始終入らない、目立たぬ場所にさりげなく置かれた医療用機器
〜ノート型心電図計が微かな電子音をたてていた
『助かったんだ……』
ホッとする余り、張り詰めていた緊張感がほぐれたのか?
再び夢の中に、意識が泥のように〜ゆるゆると何所までも沈んでいった
『ーーーでも僕だけが……』
半覚醒状態でーーーぼんやり記憶がクリストファーの頭を掠めて甦る
悪夢以上の現実
……でもあいつがあそこまでするとはなあーー……
宇宙巡洋艦での襲撃は本当の事だったのかーーー
……どうか悪夢であって欲しい
クリストファーは現実から逃避したかった
だけど
〜例え現実がそうであっても
何か必ず事情があるに違いないとも思うのも確かなことだった
最高の頭脳でーーーいつも先回りして考えて
……考えすぎ…て
いつだって
いらぬ苦労ばっかりしている様に見える〜親友、ウィンストンが
クリストファーは自身が幼い頃から心配で心配で仕方が無かった
しかし彼はーーー親友の、常に何か言いたげな眼差しを
成人してからは無意味な意地を張って無視し
いい年して大人げなく、わざと見て見ぬふりを決めこんでいた自覚があった
取り返しがつかない後ろめたいモヤモヤ引き摺る気持ち
「そうだーーー…
”事件”の切っ掛けを作ったのは僕だ」
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