第10話 私ってもしかしていじわる? なの? EP4
い、言えない。春香の水着、胸のカップががばがばなんて。
がばがばっていうのは、ちょっと言いすぎかも……。私だってそりゃね。ふくらみ位ありますよ。
でもね、この微妙な隙間が、私のおっぱいの先端に触れて来るんです。
まるで、春香の水着に犯されているような気分。
やばいです。私こんなに感じやすかったのかなぁ。
それに、これって春香がいつも着ている水着だよね。
間接肌接触。
それを思うと思うわず、じわっと来ちゃうんだよね。
そこに今、春香が目の前にいる。
私のこの欲情をどうにか静めてくれない?
だから春香……。抱きしめてぇ!! て。ここでそんなことしたら、みんなに見られちゃう。
それはやばい。やばいだろう。
でも、春香なら、なんかやっちゃってくれそう。
でも、それは困る。
後で噂なんかされたら、お互い非常に困るんじゃないのかなぁ。
「なぁ優奈。もしかして、泳げないとか?」
あ、そこに気が付いてくれた!! 春香やっぱり、私と意思疎通しているね。
「うんうん」とうなずいた。
「なぁんだそうだったら、言ってよね。それじゃ、私、パパっと泳いでくるから、見ていてよ」
にっかりと笑う、春香の顔がまぶしい。
でも、そうじゃなくてさ。
ね、ね。春香ぁ――――!!
無情にも春香は、ザブーンと水に飛び込み、すいすいと泳いでいる。
さすがは水泳部! 綺麗なフォーム。水しぶきがほとんどたっていない。まるで魚が泳いでいるみたい。
もしこの姿を水の中で見ることが出来たなら。多分春香の姿はマーメイドに見えているだろう。
その姿を想像しちゃうと余計に……。胸の先がジィ――――んと、してくる。
ああ、体がなんか火照ってる。おひさまの光のせいじゃなくて。体の中からムズムズとした火照りが、どんどんと沸いてくる。
これ、ちょっとまずい。
泳ぐことはできないけど、水に浸かることは出来る。
浸かるだけなら、お風呂と同じだから。
そぅ――と、足の先からプールの水に触れていく。
「つ、冷たい!」思っていたより冷たい! みんなよく入れる。
ああ、体が火照っているから、余計に冷たく感じるんだよ。……多分。
ゆっくりと、体を慣らすように水に入っていく。
胸のあたりまで、ようやく水に浸かった時。水着が思いのほか、体に密着してきている。
「うわぁ、水に入るとやっぱり密着しちゃうんだ」
おろおろとしながら、何とか胸のあたりを水で濡らすと、今までさわさわとふれていた水着が、ある程度密着してきたから、なんとかあの感覚から解放された感じ。
そこに春香がやってきて。
「ようやく水の中に入ったね。私の泳ぎどうだった?」と満面の笑顔で聞く。
「うん、すごくきれいだったよ」
「そっかぁ―。ねぇ、優奈って全く泳げないの?」
うん、うんとうなずいた。
「そっかぁ――」と残念そうに言う春香。もしかして幻滅した?
嫌いになっちゃう?
やっぱり泳げる人じゃないといけないの?
そんなことが、頭の中で勝手にわき上がってくる。
悲しそうな顔をしていたんだろう。そんな私に春香は。
「そんなに悲観しなくたって、泳げないのは仕方ないよ」
そう言ってくれる春香。……優しい。
ああ、私は春香と言う水の中で、溺れるのなら。
ううん、溺れたい。
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