第57話 名案
愛乃に挑発されて、知香はうろたえた様子だった。「ちょっとぐらいならエッチなことをされてもいい」と知香が言ったことを逆手にとって、愛乃は「どんなエッチなことでもされていい」と反撃したのだ。
透ははらはらした。これから寝るはずなのに、とても眠れるような雰囲気ではない。
知香は愛乃をきつく睨む。
「私はあなたと透がエッチなことをするのを止めに来ているんだもの。リュティさんが勝手にエッチなことをされたいって言っても、私が止める」
「ふうん。本当に?」
「あ、当たり前じゃない! 透とあなたが……こ、子供ができるようなことをさせるわけにはいかないんだから!」
「あ、近衛さん、今、エッチなことを想像したでしょ?」
「あなたがそういう話をさせているんでしょう!? ともかく、私が透とリュティさんのあいだで寝て、あなたたちがエッチなことをするのを止めるんだから!」
「そのためなら、『ちょっとぐらいなら』透くんにエッチなことをされてもいいんだよね?」
「そ、そうよ! 悪い?」
愛乃はふふっと笑った。いたずらっぽく愛乃が瞳をキラリと輝かせ、知香に一歩近寄った。
そして、その背後に回り込む。知香ははっとした表情をしたが、遅かった。
「な、なにするのっ!? ひゃうっ」
次の瞬間には、知香は愛乃に胸を鷲掴みにされていた。そして、愛乃が知香の大きな胸の膨らみを揉みしだく。
青いシャツパジャマ一枚だから知香の胸の形がはっきりわかる。
知香は抵抗しようとしたけれど、逃げられず、胸を好き放題に触られてびくんと震える。
「な、なんでこんなこと……」
「ちょっとぐらいならエッチなことをされてもいいって言ったよね?」
「そ、それは透にならされてもいいってことで、あなたにされてもいいなんて言ってない!」
「そっか。なら透くんにしてもらおうかな」
「え? あうっ」
愛乃は知香のシャツパジャマの一番上のボタンを外す。すると、胸が大きく揺れて、知香の白い胸の谷間があらわになる。
知香は荒い息遣いで、頬も紅潮していた。
そんな知香を、愛乃は指し示す。
「透くんになら、エッチなことをされてもいいって言ってるから、透くんにやってほしいな」
「で、でも……そういうわけには……」
「お風呂で近衛さんを抱きしめていたし、胸だって触ったじゃない。いまさらできないことなんてないと思うよ?」
愛乃はそう言って、透に挑発的な視線を向けた。
(愛乃さんの考えが読めない……)
どうすることが正解なんだろう?
透は迷った。
愛乃の言う通りに、知香にエッチなことをしてもいいのか。いいわけない。
知香が愛乃に胸を触られながら、透に潤んだ瞳を向ける。
「と、透……助けて。あっ、ダメっ、それ以上は……」
愛乃の手が知香の服の中に入り込む。直接、胸を揉むつもりらしい。
さすがにやりすぎだ。
透は良いことを思いついた。知香をこのまま襲うのはダメだ。かといって普通に愛乃を説得して止めることはできない。
ところが良い方法がある。愛乃の行動の理由も知ることができるかもしれない。
透はそっと愛乃たちの背後に回った。愛乃は声をはずませる。
「あっ、透くんも近衛さんにエッチなことをするつもりになったんだね? 良かった。……あれ? どうしてわたしの胸を……ひゃうっ」
愛乃が甘い声を上げる。
透は愛乃たちの背後に移動したけれど、それは知香にいたずらをするためではない。
透の両手は、愛乃の大きな胸を触っていた。
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