第49話 男の子だものね

 透は愛乃のバスタオルを静かに下に引っ張った。すると、愛乃の大きな胸がこぼれるようにあらわになる。


 そのままバスタオルを剥ぎ取ってしまう。


 鏡には、裸の愛乃が写っているわけだけれど、透は思わず目をそらしてしまった。

 一方の愛乃は落ち着いた様子で、両手で胸と下腹部を隠した。


「お、落ち着いているね」


「二度目だもの」


 愛乃はさらりと言う。

 たしかにそのとおりで、昨日も浴槽で、透は愛乃を脱がしている。


 あのときは愛乃は怖がっていたけれど、今度はそんな様子はなく、面白がっているような余裕すらあった。


 透はボディソープを手にとって、そして、愛乃の背中を素手で洗い始めた。

 愛乃の背中はとても小さかった。小柄な少女なのだから、当然だけれど。


 改めてじっくり見ると、愛乃の肌はきめ細やかで、真っ白な雪のようだった。

 北欧系という愛乃の血筋を改めて思い出す。


 愛乃がつぶやく。


「透くんの手、大きいね」


「そうかな」


「そうだよ。……男の子だものね」


 愛乃は幸せそうに、つぶやいた。


(なんだか、このまま普通に体を洗うだけでも良い気がしてきた……)


 もともとは愛乃に胸も触ってほしいと挑発されて、体を洗うなんて透は言い出した。

 素手で愛乃の体を触っているのも、邪な思いがあるからだ。


 でも、素直に楽しそうな愛乃を見ていると、そんなことを考えるのも悪い気がしてくる。

 とりあえず、透は愛乃の背中をシャワーで流そうとした。


 ところが、温水にしていたはずのシャワーの水が冷たくなっていた。

 跳ねるシャワーの水しぶきの冷たさに透は驚いたけど、直接背中に浴びせられた愛乃はもっとびっくりしていた。


「つ、冷たいっ!」


 愛乃は悲鳴を上げ、体を跳ねさせる。

 慌てて透はシャワー止めて、温度を調整した。


「ごめん。愛乃さん、大丈夫……?」


 見ると、愛乃はこくこくとうなずいていたが、驚いた拍子に胸と下腹部を隠していた手を放してしまったらしい。


 鏡に一糸まとわぬ愛乃の体が写っている。

 小柄だけど、胸が大きくて、すらりとした肢体に透はどきりとする。

 

 愛乃は、うろたえた様子で、慌ててふたたび両手で隠そうとするが、透がその手を止めてしまう。


「と、透くん……?」


「胸も洗ってあげるよ」


「え、でも……ひゃうっ」


 透はふたたびボディソープを手につけると、愛乃の胸を背後から揉みしだいていた。


「ふわあああっ、と、透くん……そこっ、ダメえっ……あっ」


 愛乃は甘く甲高い声をあげていた。







<あとがき>

そろそろこの章は終わりですっ!


面白い、透と愛乃がどうなるか気になる! と思っていただけましたら、


・☆☆☆レビュー(↓にあります)


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