023. 解決編

 僕は、これから今まで語ってきた謎を解き明かすだろう。


 探偵小説で言うなれば、ここからが解決編、というところだ。


 ただし、僕たちの奇譚は、やはりここでも、それほどスリリングで、大それたものではない。オカルトやら怪奇現象もなく、奇想天外なトリックもない。

 むしろ、江坂ゆきのが、わかってしまえば身も蓋もない、というような、ありふれていて、でも不器用に、奇妙にねじれたそんな物語だ。


 だから、もう一度言おう。


 やはりこれは、僕と江坂ゆきののための物語で、僕たちの奇譚だったのだ。

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