作戦No.0027 危機
前回、魔法を使おうと練習していたところクレルが異常な威力の魔法を放ち、仲間たちを唖然とさせた。
その後のやり取りは、定番の展開故に端折らせてもらうが、とにかくクレルが凄いということが認知され、彼自身も自分の強さに自信を持ち始めた。
そんな中で、ドラードから連絡が入ったとフィロスが現れたのだった。
『俺だ、無線機を入手した』
「よし、よくやった。進捗はどうだ?」
『まだ発見できていない。そっちで探知は?』
目配せでストルがフィロスに確認するが、首を横にふった。
「ううん、だめ。あれ以降の連絡はないよ」
『そうか…やっぱ地道に探すしか手はないようだな』
「うむ、仕方あるまい。敵部隊はどうだ」
『まずい状況だな。首都攻略に向けた部隊がここに集結している。しかも、いつでも出撃可能だ』
「なに⁉︎…戦力は?」
『100万はいるだろうな。兵士で街が溢れかえってる』
「ふむ…なるほど、しかしどうにもならん、急いで本部に連絡を取ってみるが…」
『それまで持つかわからねえな』
「だろうな…とにかく敵が動き出したら知らせてくれ」
『ああ』
通信を切ったときのドラードは、苦笑いをしていた。
―――――――――――――――
「…よし、とりあえず連絡は取れるようになった」
部屋の隅に設置した中継機を嬉しそうに撫でながらドラードは言った。この中継機で、彼らがもっている無線機が増幅されて、クレル達のいる基地まで通信ができる。
これが置いてあった倉庫からここまで運ぶのはかなり手間だったが、裏道など目立たないところを駆使しなんとか運んだ。
「敵が大規模ってのが大きいかもな」
リアンは頷く。
組織が大きければ大きいほど、下の管理が疎かになりがちだ。こんなものを無事に運べたのはそれが大きいと言えるだろう。
「今日はどうする?」
リアンは、目標である救助者の捜索作業をどうするかということを確認する。
ドラードは少し悩んだ結果、
「これ以上動き回ると怪しまれる可能性があるからな、大人しくした方がいい」
「分かった」
ということで、何が起きるわけでもなくその日は静かに過ぎていき、そして次の日の早朝。
「お前ら!挽回のチャンスだ!これから敵の本部に出撃するぞ」
早朝、ヴィスが家に入るなりそう言ってきたので、ドラードも、リアンもとび起きて玄関に向かった。
「ほ…本当か⁉︎」
ドラードは寝巻き姿のまま聞く。
ヴィスは大きく頷いた。
「そうだ!あと2時間もしたら出発する。準備しておけ!」
それだけ言ってヴィスはすぐに去っていった。どうやら忙しい様子。
リアンとドラードは顔を見合わした。お互いに焦りが見て取れる。
「まずいな」
「うん。連絡をした方がいいかな」
「ああ、ストルの判断を聞いてくれ」
リアンは頷き、無線機を取りに自室へと向かった。
ザザ…
「聞こえますか?」
『…むにゃむにゃ……ぴぃー…ぴぃー』
『むううう…』『にゃああ…』
「………」
無線越しに聞こえてくる。3人の寝息。声の幼さから予想してフィロスとイストリア、ヒストリアだろう。
一瞬そのまま寝かしておこうかとも考えたが、残念ながらこちらの状況がそれを許さない。
すううぅぅ……
リアンは大きく息を吸い…そして
「起きて!!!!」
『ぴゃ⁉︎』
『うーん…』『どうしたの…?』
驚いて飛び起きるフィロスと、寝ぼけ眼で目覚めるイストリア、ヒストリア。
「大変なの。2時間後に敵が侵攻するって。急いで隊長を呼んで!」
「!?!?……むぅ?」
「だってーフィロス」「まだ寝ぼけてるよ」「じゃあ私たちで呼びにいきましょ」「だねー」
半目開きの目を擦り、キョロキョロしているフィロスをよそに、寝ぼけとは無縁で相変わらず明るい雰囲気のイストリア、ヒストリアがストルを呼びに向かった。
呼びに行っている待ち時間。
いつ来るのか…そもそもあの2人がちゃんと連れてくるのだろうか…
などと考えている間、フィロスは、
「……リアン………おはよう……にゅぅ……」
そんな言葉を最後にまた寝息が聞こえるようになった。
「………」
一瞬起こすべきか考えたが…そっとしておくことにした。
それからしばらくして、「どうした!」と焦燥感に駆られたような声色とゴソゴソという布が擦れる音とともにストルは現れた。
―――――あとがき―――――
はい、お久しぶりです。
だいぶ経ってしもうた…
また頑張ろうかと思います。
でわ!
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