第1章2部

作戦No.0014 最高指導者レクス

『定期報告』


報告者 ストル


要塞基地襲撃を受け反撃に出るべく……


中略


……クレルと彼の水晶による効果で生まれた人物、「シェーロ」による2人で、ヤーレスの町を占拠していた敵(中隊規模と思われる)を1時間足らずで奪い返した。

このことから、水晶の潜在能力はかなりのものと思われる。

しかし、未だ効果は未知数であり、クレル以外は水晶の力を引き出せずにいる。

現在、ストルが率いる隊を2つに分け、要塞基地と、ヤーレスの町をそれぞれで守っている状況にあるため防衛は非常に手薄であり、さらにこれ以上の侵攻は不可能という状況。

以上から、要塞基地の防衛に人員を派遣することを要望する。





ストルが無線で報告したことを、文章にまとめ、最高指導者であるレクスの机の上へ積まれた。


そして次の日の朝執務室に現れた、いかにも荘厳な老人という容貌の男、レクスが現れ机に向かい座った。その両脇にはメイド服を着ている20歳前後の女性2人が控えている。


レクスは、机に山のように積まれている報告書に目を通す前に、椅子に深く座り虚空を眺めた。

この行動によって、精神を統一しているのだ。



やがて、


「よし…」


精神統一が終わったレクスは、ノロノロと書類の山に手を付けた。


「うぅむ…また部隊が1つやられたのかのぅ……そしてこれは………ふむ、また武器の輸送ルートがやられた…のか…」


目も当てられない状況を、目を離すことなく、しかし頭を抱えながらどんどんと読みすすめる。

何枚…いや、何十枚かを読みすすめていくうちに、例のストルからの報告書にあたった。


「これは……む?」


今までの、損失ばかりの報告書とは違った内容にやはりレクスはこの報告書に目が止まった。


「むむ……町を1つ奪還じゃと⁉……そうか…あれが……」


「レクス、魔法を導入したのはやっぱり当たりだったでしょ」


後ろに控えているメイドのうちの1人が、いつの間にかレクスの頭のすぐ隣に身を乗り出して書類を覗き込んでいた。


「お、おお…ヴァイエ…そうじゃな、魔法が強いということはもちろん知っていたわい。じゃがな…」


「レークース!分かっていると思うけど、リスクは承知でやったことでしょ。今は勝つことだけを考えるの、それよりも…」


もう片方のメイドであるアウ―トも話に乗ってきた。


「分かっているとも、それでも、過去は繰り返したくない…と思っただけじゃ」


「はんっ!何をいうかと思えば、あのときのあんたなんかこんなちっちゃい子供だったじゃない。あのときのことなんてどんだけ覚えているか…」


何を!

ヴァイエから出てきた言葉に思わず立ち上がるレクス。


「あのときの事は一瞬たりとも忘れたことはないわ!」


怒りながらそう言いうレクスだが、メイド2人はそんなことに一切反応せず、ストルの報告書を読んでいた。


「ふうん…じゃあ…」


「この名前を見てもなんとも思わないの?」


ヴァイエ、アウートが揃って指したその一文は…


『シェーロ』


気分が高揚していたレクスは落ち着きを取り戻し座り、改めてその書類を読みすすめる。

そして戸惑ったように、


「……本当か?」


「さあ?」


「あり得ないこともないわ、そもそもあの水晶、確か彼女の魔力残滓をベースに作ったんじゃなかった?」


「そうなのか…?」


はあ…

ヴァイエはため息をつく。


「レクスは何も知らないのね。よくそれで国を指導しようと思ったわね」


「う…うるさいわい!ヴァイエが有能すぎるのじゃ!」


あら

レクスの言葉にヴァイエは少し嬉しそうな反応を見せた。有能と言われたのがよかったようだ。


「しかしこれは………一度会ってみたほうがいいかのぅ」




ひげを撫でながらレクスは、遠くのストルたちが派遣された方向を向いてそういった。



―――――あとがき―――――



「はーい!私だよ!」「私もいるよ!」

「今回は」「イストリアと」「ヒストリア」「の2人でお送りします!」

「ね―ヒストリア。なんか今回短くない?」

「ねー。こんなんじゃ私達の活躍がものすごく遠くになっちゃう」

「私達全然でてなかったし!」

「みんな難しい話してるんだもんね―!」

「あ!フィロス!」

「フィロスだ!」


………

……


この2人に任せると収集がつかないぞ⁉

久しぶりです作者です。

出来る限り早く投稿しようとするとこんなに短くなっちゃう…

でも今回出てきた3人は結構重要人物だから(まあ、当然といっちゃ当然だけど)覚えておいて欲しいな


では次回もよろしくおねがいします。

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