第111話 西大島って

 西大河も東大河も南にそびえる山脈が水源で、北に緩かに流れています。

 流れて居るのか注意して見ないと分からない位緩かで、マッスルーウム達が渡し船の代わりが出来るのも、湖の様な穏やかな河の流れのお陰です。


 小型客船は遡って居るのか下って居るのか、感覚では分からない西大河を北に向かって進みます。

 海に出ました、これから左に曲がり海岸沿いに西に進路を取りました。

「ユーフラット神様、いつ頃西大島が見えます?」

『さて?いつ頃と言われても、イグリス大陸には西半島が在ります、半島先端を西に行けば島は見えますよ』

「高速クルーザーと違って客船は遅いですから、今日中に着けば良いところかな」


 全く使われて居ない無人の地、西半島が見えてきました。

「これを目印に西に…あれ?大陸じゃ無い?」

『大きいですが島です…サイ様に分かり易く例えると、日本の本州位の島です』

「本州ですか!!住んでた私から言うと、無茶苦茶デカイ島ですね」

『この島も女神聖国の一部として面倒見て欲しいのです』

「住んでる人しだいですね。あまりにも狂暴な者達ならば滅ぼすか放置したい」


 本州位と言われたけど、近付くと大陸か亜大陸と言っても良いような広大で果しない大地が広がっています。

「着岸出来そうな所が在ります?」

『そうでした、少々お待ち下さい!……』

『ユーフラット神様、了解しました』

 ミシ神様が現れ前方の大地を睨みます。


 前方の岩場が、ボコボコ隆起したり沈んだりを繰返し見事な入江湾が出来上がって居ました。

『サイ様!桟橋も設置して置きました!』

 と言い残し、お礼を言う間も無くミシ神様は消えて居ました。

「ユーフラット神様、ミシ神様忙しそうでしたが、何かされて居るのですか?」

『ミシ神には特種な仕事を頼んで居るもので、ナイル神と共に忙しく働いて居ります』


 ミシ神様は大地を自由に造り替える、何処を造り替えてるの?

 ナイル神様って召喚ドアを処分するって言ってたけど、何が得意な神なの?

 二柱の神が忙しく働いてる?聞かない方が良さそうな、大変な事みたいです。

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