第105話 東山のドワーフ【1】

 マッスルーウム達、頻繁な利用で凄く嬉しそうです。

「女神様、我らマッスルーウム族を使って下さってありがとうございます」


 あれ?マッシュルームみたいにマッスルーウムと呼んでたけど、本人達の発音はチョッと違ってます。

 文章で説明しにくいけど、筋肉のマッスルを引き延ばしウム?と語尾を上げる「マッスルーウム?」で分かるでしょうか?


 茸人マッスルーウム族も果樹園管理の蜥蜴人、小鬼族にポークマン達全て人が居なくなったなら代わりの人造りって感じで、ユーフラット神の眷族コウガ神が造り出した亜人です。

 私が偶然誕生させた獣人達にヒントを得てやったそうです。


 これから向かう東山の始祖エンシェントドワーフ、人で有りますように!ユーフラット神は変な事やってしまう神では無いが、今眠りに入っている悪気は無いが考え無しのイグリス神がヤラカシた者で無い事を祈りながら、連合軍を引き連れ東山に向かいました。

 この調子だと後7日は移動に掛かりそうです。


 この辺りってマッスルーウム族の集落が密集してる。

 粘土質の土にあしのような草を刻み込んで作った土の家がいっぱいつらなってる。

 マッスルーウムって男しか居ない、どうやって増えてる?

「不思議だね」

「サイちゃん?どうかした?」

「マッスルーウムってどうやって増えてるか不思議に思って」

「茸だから菌糸で増殖?」

「……想像したら何か気持ち悪いね」


 もうマッスルーウムの集落見ないように先を急ぎました。


「最後の○印調査が済めば、聖国で少しはのんびり出来るでしょうか、人任せで放置してる事気になります」

「ロゴス宰相が優秀だから大丈夫だよサイちゃん」

 独り言呟いたのに、進君に聞こえていたようです。

「進君?そう言えばミナザキ侯爵領は進君不在で運営大丈夫なの?」

「法衣貴族だったテリス男爵が家族ごと移住してくれて、防衛軍の将軍兼代官をやってくれて僕が居なくても食肉乳製品製産順調で領地繁栄してる」

「俺のリュウザキ侯爵領も、法衣貴族だったサリア男爵が移住してくれて代官職と防衛軍将軍を兼務領地発展武器に金属製品製産に心血注いでくれてる、安心して任せられる」


 豪君に進君高校までとは言え脈々と引き継がれ試行錯誤した集大成の政治経済知識、現状で使用可能な部分で方針だけ指示して運営は代官に丸投げ、領地持ち大貴族として二人は優秀なんでしょう。


 逆に私は経験豊富なのに、指示も与えずロゴス宰相に勝手にやらせてる、それで良かったのか不安になります。

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