第98話 酒呑み勝負
第一村人処か、元王でした。
「違ったらご免、バッフ王じゃ無い?」
「嬢ちゃん?会った事有ったか?」
「私はサイ!こう見えて70···一年経った、71歳だよ!」
「71歳?儂より年上か!そっちの坊主達も年上か?」
「豪君と進君は18歳」
「18?もしかして、サイ殿達は東の山のドワーフか?長命で細くても、恐ろしい力持ちだと伝えられる!」
「大河の東、山脈にここと同じ様にドワーフの国が有るの?」
「行った事は無いが、ドワーフの集落が有るそうだ。サイ殿が知らんと言う事は、
「まっ、あまり深く考えないで、バッフさん王に返り咲きしない?」
「いや、ドンゴには勝てん」
「私が呑み勝負に勝って、王に戻してあげる」
「勝負に勝てば、サイ殿が王だ。ドンゴは呑みで負けると、腕力殴り合い始めるから、王にはなれんが」
「その殴り合いにも勝つから、王に戻らない?」
「サイ殿が呑み勝負で勝利、殴り合いでも勝てば、誰からも文句の出ない国王になる!
「勝負に行ってみる」
「いや、公式勝負にしないと、揉み消されてしまうぞ······しょうが無い!儂が御膳立てしてやる!着いて来い!」
バッフさんは、大声で人々に声を掛けながら先を行きます。
「国王に呑み勝負、挑む奴が現れたぞ!!」
ドワーフの国王は、絶対的権力と自由に好きな事を出来る代わり、いつでも『酒呑み勝負』の挑戦を受ける義務があるそうです。
国王に有利な事は、自分の好みの酒で呑み勝負出来る事位で、勝負は公平に行われます。
単純にどちらが、酒に強いかの勝負が行われます。
前国王が、あれ程騒いで告知した勝負です、国民総出で見守る中、サイとドゴスの『酒呑み勝負』が始まりました。
会場は王宮広場、3万程の成人(18歳)男女が見守る中、10個の大樽酒が並べられ、サイとドゴスは、丸テーブルに向かい合って立って居ます。
勝負中座り込むと敗けです。
同じサイズの木製ジョッキに、溢れる火酒が目の前に有ります。
「ガリガリに痩せた小娘!今止めるなら、恥をかかずに済むぞ!」
「ご心配は不要!こう見えて71歳!若造には敗けん!!」
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