第85話 再び旅立ち
やけくそで、10本全て焼いて、私が2本ペスが8本、食べ尽くしました。
「ペス!よく食べるな!子豚程の角ウサギ、私一人なら毎日食っても、30日は食い繋げられたのに」
私を見上げるペスは、尻尾フリフリするだけ。
「ペス?分かってる?」「ウォン♪」
一声吠えて、ペスが走って行きました。
「えっ?···食い逃げ?」
話は解らずとも、通い会う物は有ったと、一人勘違いしてた?
走り去るペスを眺め、がっかりする華でした。
失意と手持ちぶさた、棒の先に切り込みを入れ、20センチ程の角を差し込み、蔦で確り固定、
仕上がりを確認、出来は良い。
「こんな貧弱な武器では、豚頭貫く事は出来んだろうな···」
「クゥ!」「わっ?ビクリした!ペス?」
ペスは、角ウサギ2匹(羽?)加えてお座り、尻尾をパタパタフリフリしてる。
「ペスぅ!!お帰り!!!」
何か凄く嬉しくて、ペスに抱き付きました。
毛は見た目より柔らかく、抱き付いた感触はフワフワ!!
ペスは、加えてた獲物を口から離し、私をペロペロ、角ウサギの血?ちょっと生臭かったけど、訳の解らないここに来て、初めて癒されました。
何か温かい物が、両目から流れ落ちて来ます。
モフモフ、ペロペロの応酬を、気が済むまで続けました。
「よし!!ご褒美のご馳走準備するよ!!」
角ウサギ2羽の首を切り落とし、またガシガシ、角の回収です。
今回も、皮を剥ぎ取り易い様に、吊るして居たのが、偶然血抜きになったようです。
今回は意外に手早く、皮の剥ぎ取りが終わりました。
皮の内側が、ヌルヌルしてるのが嫌で、今回も地面に擦り付けて、ヌルヌルを取ります。
皮に付着した脂肪等を、取り除く作業を偶然ですが、やった事になります。
この作業の間に、完璧に血抜きが終わって居ました。
「内臓は、心臓と肝臓は焼いて食うか」
他の内臓は、穴に埋めます。
もうこの際、ガッツリ喰うぞ!!
意気込んで食べ始めましたが、心臓と肝臓食べた時点でお腹一杯!!
ペスは、心臓と肝臓を旨そうに平らげ、焼けた順番に喰うわ喰うわ、一羽丸で完食、置き火直火焼の肉付き骨もボリボリ、何も残りませんでした。
「ペスが狩って来た物、有るだけ喰えば良いが、本当呆れる位喰うな!!」
残りの1羽を、干し肉加工し、毛皮はなぜかゴワゴワに乾きました。
皮のナメシなんて、華が知るはず有りません。
乾かす途中、確認でモミモミしていたのが幸い、カッチカチにはなっていません。
ペスの狩りは、順調に続きました。
角で穴を空け、蔦で結び、パッチワーク絨毯が二枚出来、携帯食料の干し肉も量産出来ました。
北に向け、人探しの旅を再開します。
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