第84話 扶養家族
「お前、そんだけ肉喰ったら、喉渇くだろ?」
私が、ペットボトルから、樹液を飲むのをじっと見てる。
「入れ物が無いんだよ」
葉っぱを見れば、旨い樹液の出る木は分かります。
手錠で引っ掻いて、出てきた樹液を飲みます。
狼も真似をして、樹液を一舐め、美味しかったようで、口を付けてすすってる。
「いつまでも一緒に居る訳に行かん、じゃぁバイバイ!!次に会った時攻撃しないでくれよ」
肉串3本持って、残った片股肉を剥いだ皮にくるみ、寝床にしてる楓の巨木に向かいました。
結び目を着け、登り易くしたロープを伝い、スルスル登って枝に上がる、ロープを手繰り寄せ、安全な木の上でペットボトルの樹液を補充、股肉を二センチ位に細く裂き紐で縛って、20切れ枝に吊るす。
「塩水に浸ける代りに、樹液を塗った。20日分のお肉、腐らず、干し肉になってくれ!」
薫製チップで、薫製チーズを作った事は有るが、干し肉なんて作った事が無い華子、ビーフジャーキーを想像しています。
できた干し肉食べて、がっかりする事でしょう。
お肉を食べて、久し振りに満ち足りた睡眠でした。
気持ちよく目覚めました。
「やっぱ肉食うと元気が出るねぇ!」
軽くストレッチして、贅沢に串焼肉一かじり、しつこく
「さて、今日は···無理をせず、干し肉の番でノンビリ過ごすか」
「ウォン」
「へ?」突然で、間抜けな声が出ます。
下を見ると、昨日の狼が見上げてる。
「なんだ?お前着いてきたのか?······もしかして、餌の催促か?」
「ウォン♪」
尻尾を千切れる程振ってる。
「うぇ~っ、私が食べる分で手一杯、ペットを飼う余裕は無いよ」
ぶつぶつ良いながらも、尻尾をフリフリ見上げる狼が可愛く見える。
干し肉(なって無い生肉)10切れ持って木から降ります。
お肉を一切れ差し出します。
「プイ」そっぽ向かれました。「お肉要らないの?」
狼は、私の鞄に鼻をツンツンしてる。
中には、葉っぱでくるんだ串焼肉が入ってる。
「生肉は嫌?焼肉が良い?」「バゥ!」
「なっ、なんて事でしょう!······獲物を、確り狩って来るなら焼いてやる」
「ウァウ!」
言っても解って無いでしょう、尻尾をブンブン振ってるだけ。
焚き火が、置き火になるのを待ち、干し肉(まだ生肉)を串に差し焼いてます。
「お前···狼とかお前じゃ呼び難い···雄?雌?お尻を確認!女の子だったの?」
「ウォン♪」「そうか···じゃぁ『ペス』お前はペスよ!」「バァウ!」
扶養家族が出来ました。
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