第82話 肉が無ければ狩れば良い

 飲み物食べ物の問題が、少し解消して気が緩んだ華子に、危機が訪れます。


 醜い顔、緑の皮膚に角と牙の小人と遭遇して仕舞いました。

「しまった!油断した!」

 瞬間手にしていた、こん棒で横殴り力任せに叩きつけます。

 緑の小人の顔面にヒットし、吹き飛びました。

 更に追い討ち、力任せにこん棒で殴り、首を踏みつけ絶命させ、大至急この場を立ち去ります。

「群れで無くて良かった!迂闊に歩け無いよ」


 緑小鬼の、血が付着したこん棒を眺め、ため息混じりに地面になしり付けて拭います。

「警棒が欲しいよ!!せめてナイフが有れば」

 無い物ねだりしても、しょうが無いのは充分、分かって居ますが、不満位言いたくなります。


 また夜になります。

 木登りも馴れたもので、腰に巻き付けた手製のロープを枝に投げ、掛かって垂れたロープを引っ張り、二重にしたロープを腕に巻き付け、木の幹に足を掛けてロープを頼りに登って行く、枝に手が掛かり幹を蹴って枝の上に上がります。


 安定する位置に収まり、幹を手錠で引っ掻いて、樹液を飲みます。

「私しゃセミか!肉が食いたい!」

 今日殺した緑小人は食べられない、一度一切れ口にして、即吐き出しました。

「あれは、口に入れたらダメな物だ、今度豚頭に有ったら、思い切って撃ち殺し、肉を食ってやろう···生肉食べる?焼く方法考えないと···火ってどうやって着け···あっ!ライター持ってる」


「明日は、豚頭を狩って······」


 空きっ腹でも、気にせず眠れるようになった、華子です。



「身体がだるい···栄養失調状態かな?樹液を飲むだけの食事20日も続けりゃ······30日?もっとかな?もう日々ひにちが分からん」



 狩りをする為、半分だけ大切に残して置いたカロリーメイトを一かじり、樹液で溶かし舌下に含み、栄養吸収促進させる。

 5分位含むと、唾液で溢れる位増量、ユックリ飲み込み、一かじり樹液で溶かし舌下に含む。

 半分のカロリーメイトを、60分程掛けて食べ終わる。


 満腹感と元気が沸いて来ました。

「よっし!!豚頭を喰らうぞ!!お肉~ぅ!!」

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