第77話 トワイライト王国
防壁を、こん棒で破壊して居るのは、豚頭のオーク。
防壁上から攻撃している兵を狙い、石を投げてるのはゴブリン。
防壁上の兵が弓攻撃しているが、オークは矢が少々刺さっても、脂肪の層で止まって、ダメージになって無い。
「大河を二つ渡った東の王国『女神聖国』から助っ人に参りました!!」
私の大声に、防壁上の兵士達、魔物達も動きを止めてこっちを見てる。
「女神聖国?初めて聞く!と、止まれ!!魔物を引き連れ我が王国を滅ぼす気か!!!」
「この子達は獣人と蜥蜴人!魔物では無い!!」
「嘘をつけ!!魔王め!!!その魔物どもの態度は、どう言い逃れする」
何を言ってる?
示された方向を見ると、ゴブリンにオーク達、2000程が全員私に向かって土下座してる?
土下座の魔物達全員を、突然光が包みます。
徐々に容姿が変化して行きます、醜いゴブリンの顔がクリクリお目々、子供の様な顔に。オークの豚顔が太目ふっくら愛嬌の有る丸顔人間に、光が収まった時には変化は完了、角の有る子供っぽい容姿の亜人と、豚耳丸顔太目体型の亜人が、ずら~っと土下座して居ました。
⦅コウガ神様!タイミングが良いのか悪いのか···えいっ!張ったり噛ましてやる!!⦆
大声を出します。
「私は、女神聖国!女神サイ!!滅び掛けた人の世を、神の力で立て直す為にやって来た!!飢える事無く、豊かな暮らしを望むなら、我が女神聖国に従え!!不服ならば亜人と供に立ち去る!!勝手に滅びよ!!!」
小鬼達が言います。
「「「「「「「「「「女神様に従います!!」」」」」」」」」」
豚人達が言います。
「「「「「「「「「「女神様に従います!!!」」」」」」」」」」
防壁上の偉そうな人は、沈黙しています。
「沈黙は否定と受け取った!!これから滅びた北の国の生存者を探しに行く!!では、滅びないよう頑張れ!!」
「······」
「行くぞ!!亜人も着いて来い!!」
「ま、待ってくれ!儂は、トワイライト王国、ライト王!滅びる我が王国を助けてくれ!!」
「今まで無策の無能王!態度がデカイ!!少数でも生き残りを保護するのが先決!!重鎮と相談する猶予を与える!!
皆!北に向け、走れ!!」
返事を待たず、走りました。
スピードをセーブし様子見、小鬼と豚人、遅れる事無く着いて来てる。
徐々に速度を上げる、全力疾走には着いて来れんようだ、速度を落とし疾走する。
残されたライト王は、走り去るサイ達をじっと見ていた。
「あの女は、女神と言っておったが······魔物を亜人に変えおった!女神か魔神か?人では無い事は確かなようだ。少数居た人に見える者達も、あの走りは異常だ!」
「国王様!東から来たと言って居りましたが、向こう岸が見えない程の大河、どの様に渡って来たのでしょう?走る様子から游いで渡って来たのでしょうか?」
「儂に聞いても、分かる訳が無いぞ!それより、あの女、儂を無能王と言いおった!確かに無能かも知れん···従うしか無いか」
***
西地区の王達、無能で困った王達です。
サイちゃん面倒がらず、即手を差し伸べたなら少しは良い方向に導けたかも知れませんが、時が過ぎ無能と言われた事のみ記憶に残ったトワイライト王が出した結論とは……。
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