第76話 西の王国が危ない

 ハジメ酋長と3人の護衛が、スタタタタァと水面を駆け抜け、あっと言う間に大河を渡って、向こう岸でこちらを見てる。


 ミニスカートでマッスルーウムに跨がるの、すっごく抵抗を感じます。

 抱き締めポーズで眉ピクピク、決め顔のマッスルーウムを見ると、イラっと来て殴りたくなります。

 選択の余地無し。

 せめて、と思いスパッツを履きます。

「「「「「「サイ(女神)ちゃん(様)!!」」」」」」

 豪君魔女達、メズ、タウル達が、ぐるり人垣で取り囲みます。

「えっ?」

「「「「「「「「「「茸人達が見てる!」」」」」」」」」」

「見られて、減るもんじゃ無い、気にしないよ?」

「「「「「「「「「俺ら(私達)が、嫌なんだ(嫌なの)!!」」」」」」」」」


「そう?」

 考えると、羞恥心っていつから感じ無くなったのか、60歳位までは有ったような······。


「どうぞ!えんりょなく、ふんでください」

 いちいち決め顔で話すマッスルーウムに、イラっと来ます。

 ズカズカ踏んで、腹筋の上に座ります。

「カッチカチ!(座り心地悪!!)」

 カッチカチだけ聞こえた様で、決め顔が一段とアップします。

「発進!!」

「うほっ?あっは!」

 私が胸の辺りを掴んだのに対し、声が出たようです。

 勢い良く進みます。

 短足をバシャバシャ、意外に水飛沫かからない。

 振り向くと、豪君達、魔女達、人形ひとがたの獣人達が、マッスルーウムに乗って着いて来てる。

 ケンタウルス達は、犬カキじゃ無く馬カキでスイスイ着いて来てます。


「危険な魔物巨大魚とか、居ないのを確認出来たら、游いで渡るって手も有るか」

「めがみさま!たいがのわたしは、われわれをごりようください!」

 私の呟きを聞いて、悲しそうな顔でマッスルーウムが言います。

⦅ドヤ顔より、悲しそうな顔の方が好感持てる?⦆



「ありがとう!助かったわ!」

 一応お礼言うと。

 ムキってポーズ決め「どういたしまして!」


 いちいちポーズ決めんと、話せんのか!

 また、イラっと来ます。



 全員が無事到着、南に向けて走りました。


 行く手にそびえ立つ、防壁が見えます。

 遠目でも、魔物に取り囲まれ、防壁の一部は崩れて居るようです。


「皆!助けに行くよ!!」

「「「「「「「「「「おぅ!!!」」」」」」」」」」

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