第75話 茸人マッスルーウム
ハジメ酋長の先導で、駆けに駆け抜け大陸中央部を縦断した様です。
行く手を、橋を掛けた東大河の、倍ほど巨大な大河、地図で見た西の大河に塞がれました。
一瞬海に出たかと、間違う程の大河です。
河と解るのは、向こう岸が霞む程僅かですが、確認出来たからです。
砂浜になってる河原におりました。
一応確認、一舐め「海水じゃ無い、真水だよ」
「サイちゃん、地図に○が入ってる!向こう岸に人の国が有るはず」
「西側唯一、人の生息地だね」
中央部には、北と北西に2国人類生存区が有りますが、目と鼻の先河の向こう岸に危機状態の国が有るはず。
魔物から解放するのが先決でしょう。
「河をどうやって渡るか······」
「女神様?何ヲ迷ウ?コノママ走レバ、向コウ岸ハ直グダ」
「無理!」
「?右足ガ沈ム前ニ左足ヲ出シ、左足ガ沈ム前ニ右足ヲ出ス!繰リ返セバ、水ノ上ヲ走レマス!」
「忍者かよ!無理無理!!」
「「サイちゃん!変なのが来た!」」
2メートル以上の、巨大なマッシュルーム群、太短の手足に腹筋の割れたムキムキボディ!
傘の下に、13の狙撃主の様な太っい眉に濃い顔。
一言で言うと不気味茸。
ムキムキマッシュルーム軍団が、ボディビルダーのポージングを、短い手足で、それぞれ決めてドヤ顔でこっちを見てる。
「われらきのこじん、マッスルーウムぞく!サイさまのききに、さんじょうつかまつりまちた」
「噛んだ?」
「······かんでましぇん」
ゴ○ゴ顔を赤らめても、気持ち悪いだけ、追求しないよ(でも、盛大に噛んでる)。
「私の危機を、どう救ってくれるの?」
「みていて、ください!」
マッスルーウムは、背泳ぎ体勢、短い手足を高速で動かして、傘で波切モーターボートみたいに、大河中央まで行き返って来ました。
自慢気に、太っとい眉をピクピク動かし、ニッコリ笑って。
抱き締めるポーズ。
「どうぞ!おのりください!」
(気持ち悪い!かなり嫌!!)
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