第61話 獣人出産ラッシュ

 ダイスの話では、メズ達の様な子供が、牛人と狼人から続々生まれて居るとか。

 充分トシナガ王国の発展を、堪能した事でもあるし、女神聖国に帰る事にしました。


「ゲンタ、ゴンタ、ボンタ!妊娠してる馬が居ない確認の後、女神聖国にやって来い!!」

 ゲンタ達、少し不満そうでしたが、ずっと残るのでは無いので、渋々でしょうが、引き受けてくれました。


「他の者は、全力疾走で着いて来い!」

 今の私達、時速100キロでも200キロでも、平気に走れる。

 ジムニーで、5時間近く掛かった距離を、1時間足らずで駈け抜けました。


 馬場には馬舎の隣に牛舎と狼舎が新設され、馬番二人と応援のメイド達が慌ただしく働いています。


「ドンゴさん、どんな具合ですか?」

「女神様!牛人新生児が5人、狼人新生児が12人生まれて、間も無く牛人妊婦が3人、狼人妊婦が2人出産しそうです!!」

「ゴロスさん!新生児皆正常ですか?」

「······正常?異常の判断着きません!!人でも、牛狼とも違う···」

「メイドの皆さん、応援ご苦労様!!新生児は私が確認します!もう一頑張りお願いしますね!」

「女神様!!赤ちゃんは、産湯を使い、母牛、母狼が授乳して居ります!」

「はい!確認します」


 新生児達は、牛の頭に人の身体、狼の頭に人の身体、メズ達の事に照らし合わせると、種族の違いで多少変わるでしょうが、10日経たない内に人の顔に変化する事でしょう。


 今は、外見ミノタウルスとウルフガイですが。

 一人ずつ確認して行くと、牛人一人と狼人4人に手足の脱臼が見られました。

 順に、回復魔法を掛けて行きます。


 ケンタウルスの出産程、大変じゃ無かった。

 牛人も狼人も双子三つ子の出産で、おまけに見馴れ無い赤子です、皆が戸惑っただけだね。


 牛人族、族長カウベルが近付いて来ました。

「カウベル、おめでとう!!」

「アリガトウ御座イマス!アンナ子供ガ、生マレルトハ思ッテ居ナカッタノデ、チョット驚キマシタ」


「ガルも、おめでとう!!」

 狼人族、族長ガルにも祝を言って置きます。

「有難ウ御座イマス!女神様ノ御加護デ、我ガ子達ハ人二成レマシタ!!感謝シマス」

 牛人族は危険な状態を救われ、感謝していますが、狼人達は、殺される所を救われた、その恩か私に対し異常なまでの忠誠心を持っています。


 結局牛人11人、狼人15人の子供が誕生しました。

 牛人の子供達が、生後2時間程で歩き始め、狼人の子供達は、生後5時間程で歩き始めました。

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