第59話 人化と魔法

「四本脚が二本足になって、バランス取りにくいようよ?」

「違う!サイちゃん!!ケンタウルスのタウルちゃんが、何で人間になってる!!」


「あぁそれ?鑑定表示を突ついたら出来た、豪君進君も出来るよ!」

「鑑定?···『ケンタウルス族女の子』しか出んぞ」

「しつこく鑑定繰り返して、凝視するの」

「······サイちゃん?繰り返しても、変わらないよ?表示をクリックなんて、すり抜けて出来ないし」

「あれ?出来ない?変ね···鑑定何度も使って、進化させれば出来る様になるよ···たぶん」

「いやいや!鑑定にはLV無いし、進化は無理と思うぞ」


 イグリス神の助けと、サイの無知無茶苦茶で出来た事です。

 常識が邪魔して、豪君や進君には不可能な現象ですね。


「ま、良いか!これで魔法習得させるの、簡単になった」

⦅⦅良くない、サイちゃん無茶苦茶⦆⦆

 疲れた顔の豪と進が、あきらめた様な弱々しい突っ込みしてました。



 タウルを鑑定、観察すると、身体強化と人化が濃く表示され、その他は薄く表示されています。

 他の3人も、身体強化は濃く表示されました。

 4人は身体強化習得してる、と言うことは!

「突つく、じゃ無いクリックね」

 回復魔法をクリックすると、濃く表示されました。

 順にクリック、全て濃い表示に変えます。

「分かり易いね!習得したのは濃く表示される」


 分かってしまえば、便利な鑑定です。

 ルシーの表示を全て濃くします。

 当然ルシーも人化しました。


 後はタウロ君とケンタ君のクリック、楽しくやりました。

「クリクリクリック、えぇか?ここがえぇのんか?ウリウリ」

「サイちゃん!気持ち悪い独り言!!」

「顔も不気味だぞ!!」

 はっ!ショタを弄ってる妄想が!!




 4人は魔法を習得してる、でも生まれて間の無い子供達です、イメージは乏しいです。

 単独では、魔法発動しません。


「風がそよそよ、火がポッ、水がチョロチョロ、土がパラパラ」

 やって見せると、真似は直ぐに出来ました。

「強風、爆風、爆裂風!!」

 簡単に真似は出来ました。

「汚れ消えて!浄化!!」

 浄化も真似して、出来て居ます。


「回復魔法は、皆の所に帰って教えるよ」

 練習で、タンコブ位は出来てるでしょう、回復魔法の実験台です。


「「「その子達、誰?」」」

 顔は、タウル達変わってないのに、気付かない?

「この子達、人化したタウル、ルシー、タウロ、ケンタだよ」

「「「「「「「「「「人化ぁ?」」」」」」」」」」


 理解出来ない、皆は放置。

「タンコブ打ち傷を回復させるよ!見てて!」

「打ち傷回復!」

 分かった様で、4人はそれぞれ、傷のある仲間に近付き、回復魔法を使ってる。


「人化ってどうやるの?」セントとトールが聞いてる。

 タウル達、人化を解きます。

「あっ!」

 言うのが遅かった、スパッツの残骸を纏った、ケンタウルスの身体が現れました。


「着替えは有るけど、出来れば脱いで人化を解いてね」

 ぼろ布になった、スパッツに気付いたようです。

「「「「ご免なさい」」」」

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