第53話 ミドロ王討伐

「我が召還せし者ならば、我に従え!!」

「寝言なら寝て言え!!」


 私の返答に、近衛兵20人が剣を抜き、襲い掛かって来ます。

 油断無く、辺りを警戒してた皆が、それぞれ魔法を放ちました。

 一瞬で近衛兵を鎮圧、更に襲う素振りの取り巻き家臣にも、魔法攻撃し制圧してしまいました。


 私は、ユックリミドロ王に近付きます。

 王座から転げ落ち、這って逃げながら「く、来るな!化け物!!」と、必死の顔でほざく。


「あら酷い!こんな美人に向かって、言う台詞じゃ無いわよ」

 取り合えず、一発グウでミドロの顔面を殴ります。


 皆は抜り無くぬかりなく、取り巻き連中を縛っています。


 ちょっと酷い状態の、近衛兵に近付き「隊長は誰だ?」痛みに呻きながら、兵士が送った視線で隊長が分かりました。


 脚が、変な方に曲がった近衛隊長に言います。

「私はトシナガ王国国王、サイ王である」

 痛みに苦しむ相手が、私を理解したのを確認し、畳み掛けました。


「明日ミドロ王の公開処刑を行う!お前殉職するか?」

「ト、トシナガ王国は、2万のミドロ軍に殲滅されたはず?」

「あぁ!2万の軍勢は、私の配下になった」


「な?まさか?」

「ゴウギ将軍達は、ノンビリ歩いて一月程で帰って来る。我らは高速移動が可能、彼らが処罰されないよう、掃討に出向いた」

「······」

「再度問う!ミドロに忠誠し後を追い殉職するか?」


「いえ!状況を理解しました!ゴウギ将軍が貴女様を、主と決められたのが事実と思われます!ミドロ王に殉職する気は有りません!!」


「敵対はせん様だな!ではお前と部下達の治療をしてやる

 全て回復せよ!チチンプイプイ!」


 近衛兵20人限定光に包まれ、一瞬で骨折傷が治りました。

「ま!真に女神様で在らせられた!!」

 ヤッパ回復魔法は、人心を惹き付けますね。

 近衛兵達、一斉にひれ伏して居ます。


 ミドロ王に太鼓持ち達が、驚いた様な顔をしてました。


「近衛隊長、名は?」

「ロゴスで御座います!女神様」

「近衛の、隊長になったロゴスは優秀であろう!取り巻き家臣の情報が知りたい」

「あの家臣共はダメです!!ミドロ王の太鼓持ち達、無能揃いのご機嫌とリです」


 やはり優秀だね、新生『聖女神国』の人材選別の助けになってくれそう。


 拘束したミドロ王を引きずり、ゴリス将軍達が待つ王宮広場に向かいます。

 私の指示とは言え、たった11人で制圧に向かった事を心配して居たのでしょう、私達の無事な姿に皆が駆け寄って来ました。


「流石女神様!!お見事でした!!!」


 成り行きを見ていた住民に、宣言します。


「悪政に苦しんでいた皆さん方!!この通りミドロ王は成敗しました!!サイ女神が統治する『聖女神王国』建国を宣言します!!!皆さんご協力下さい!!共に住み良い豊かな国にして行きましょう!!」


「「「「「「「「「「おぅーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「おぅーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」」」」」」」」」」

 地鳴りの如く歓声が、いつまでも続いて居ました。

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