第51話 ミドロ王国

 馬人族アル達の偵察で、ミドロ王国は平常だとの事、おそらく2万の軍勢で私達は全滅して居ると、安心仕切っているようです。


 余りにも攻め易く、逆にどう攻めるか、かえって迷います。

 交易商人の為か、門も開きっぱなし。


 開き直って、全軍で門を通ります。


 馬人族は、私達が乗馬しているから問題なく通過したが、カウベル達牛人族ぎゅうじんぞく、コーヨ達狼人族ろうじんぞくは当然止められます。

 最後尾の、ミラト中隊とナッス中隊それにダイス戦車隊(徒歩ですが)も、つっかえ止まりました。


 私は引き返し門番に問います。

「門番!私の護衛達をなぜ止めた!!」

「お前!!ふざけて居るのか!獣が王都に入れるはず有るか!!」

「門番!キサマは通行手形の表示も要請せんかった!私が何者か知らん状態だから、無礼は許すが、これ以上詰まらん難癖付けるなら無礼伐ちするぞ!!」


「何と言われましょうが、獣は困ります···」

「獣では無い!!カウベル!コーヨ!文句を言ってやれ!」


「門番!私ハカウベル!女神様ニ忠誠ヲ誓ウ者!獣デハ無イ!!」

「門番!オレハコーヨ!女神様ニ命ヲ救ワレシ者!女神様ヲ侮辱スルナラ喉笛食イ千切ル!!」


「ヒッ!!しゃ、喋った!!

 門番二人が呆けて居る内、全員さっさと通過しました。


 このまま王宮を目指します。

「サイちゃん!このまま一気にミドロ王、討ち取る?」

「そうするか!」


「サイちゃん!僕達目立ってる!」

「目立ちついで!ダイス戦車隊!7台に分乗し露払いせよ!!」

 馬車がすれ違い出来る大通り、ダイス戦車が先頭、6台が2列で進みます。


 大通り、両脇の見物人が騒いでいます。

「ゴリス将軍!どら声で口上!!」

 以外とゴリスは、こう言うの上手い。


「皆の者!!こちらのお方は、トシナガ王国、国王のサイ女神様である!!イグリス神様の依頼により、ミドロ王を討ち取りにやって来た!

 イグリス神様は、こちらに逐わすサイ女神様に、イグリス世界を平定するべく、この世界に送られた!!

 今、平和で住み良い世界改革が始まる!!皆の者!騒ぐ事なく見届けよ!!」


 元傭兵団の団長、ゴリスは流石に演説が上手い。

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