第48話 ミドロ王都寸前

 ミドロ王都まで、馬車で2日の野営場所、私達の移動速度ならば、3~4時間と言った所です。

 アル達馬人族が、走り廻り辺りを偵察してくれてます。


「ダズにゴズ!メズは魔法が使えたよ!!」

「「えぇ!ホント?」」

「メズがどうやって爆風が使えたか、二人に話して!」

「え~とね、窓を開けて走ってると、強い風が入って来たでしょ」

「「うん!」」

「あれのもっと強い風を思って、風を投げたの」

「「風を投げる?」」

「メズちゃん!あの木に向かって魔法使ってみて!」

「ダズにゴズは良く見てて!」


 メズは強風を思い描いているようで、少し目を瞑り、おもむろに風を掴む格好をして、投げ付けます。

 一度出来たら簡単な様で、雑木は爆発した様に根本から吹き飛びました。


「「すげぇ!!」」

「ダズ、ゴズ、今のメズの真似を、出来るまで繰り返して!」


 目の前で、仲間のメズが魔法を使った。

 自分達も出来るはず。

 二人は、そう思ったのでしょう、熱心に風を掴み投げ付けます。


 でも、何度も繰り返して居ますが、魔法は発動しませんでした。

「サイちゃん!異世界お約束、獣人は身体強化は出来るけど、魔法は使えないよ」

「そうなの?でもメズちゃんは使えたよ?」

「多分、男女差だと思う、女性の方が魔法に適して居るそうだよ」


 成る程と思い、二人に練習止めさせ様とした瞬間、どちらか分からないけど、雑木が揺れる程の強風魔法が発動して居ました。

「ゴズ?貴方の魔法?」

「うん!メズ程強烈じゃ無いけど、出来た」


 二人が出来たので、ダズが無気になってる。


 夕食の準備が出来たようです。

 第三中隊長クドを始め、隊員達は調理が上手くなりました。

 土鍋が無いけど、ご飯がどうしても食べたくなって、鍋で炊いてみた所普通に炊けたので、最近はお米のご飯が夕食には必ず出ます。


 今日の夕食は、豚ばら肉の肉じゃがです。

「美味しい!ホント、クド達料理上手になった」

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