第32話 言った者勝ちトシナガ王国

「決めた!!」

「「サイちゃん?突然どうしたの?」」

「ここまで見てきて、最低限の暮らしが出来てた村や町が一つも無かった」

「そうだったね」


「腐った貴族達、国王も似た者と判断する!ハジマ士爵は無策で領民は疲弊してた、助けてやったが最低の領主よ!!」

「そう思う·····」


「ここより西、全てを統治しトシナガ王国を建国する!!」

「「えぇ~~~っ?」」


「引き返し、大町を占領する!!者共かかれ!!!」

「「「「「「「「「「おーーーーーーっ!!!」」」」」」」」」」





 この世界が平和で豊かなら、波風立てないけど、貴族や王族のみ豊かで、住民は皆が疲弊し、餓死しそうな者達まで居る!!


 日本には二度と帰れない、イグリス神が言ってた、ならば異界のこの地で、思いっきり余生を謳歌してやる。

 古武道やってると、戦国の成り上がり下剋上に憧れるわ。




 ナカノの閉ざされた門の前に整列します。


 命令系統の便宜上、ゴリスを将軍に、50人を10人ずつ5中隊に分け、第一中隊長にゴス、第二中隊長にスラー、第三中隊長にクド、第四中隊長にミラト、第五中隊長にナッスを任命します。

 ミラトの中隊は投的の得意な者、ナッスの中隊は弓が扱える者を集めました。

 各中隊は3人の3小隊に分け、各3人で話し合い15人の小隊長が決定しました。





 閉じた門に向かい、大声を出します。

「トシナガ王が命ずる!!開門!!!」


⦅サイちゃん?王を名乗るのは、建国してからでしょ?⦆

 進君に、ぼそっと言われたけど、思い立ったら今日から王様だよ!!(私ルール)


 王を名乗る者の命令を、無視なんて出来ず門は勢い良く開かれました。


「門番ご苦労!!今からここは、トシナガ王国の王都になる!!国王の顔を良く覚えて置け!!!」


 騎兵達の話を聞いていた門番達は、異界から来た凄く偉い人の逆鱗に男爵は触れた。

 当然異界の貴族の統治になると、勘違いしてました。


 幸い種無しカボチャ男爵に子は居ません。





 門を通ると、先程の騎兵達が傷付いた馬の治療をしてる。

 幸い死んだ馬は居ないが、結構重症の馬もいます。


「可哀想な事をした、今治してやる」

「傷よ治れ!!チチンプイプイ」


 30頭の馬達全てが、眩い光に包まれ、全ての馬が元気に復活しました。

「「「「「「「「「「女神様アリガトウゴザイマス!!」」」」」」」」」」


「あれれ?この世界の馬って話せるの?」

「ブルルッ女神様ガ話セルヨウニ、シテクダサイマシタ」


「·····頭の傷···脳障害無いよう···あれっ?人の脳を思って回復させた?」



 主人だった騎士達を無視して、私にすり寄り甘える馬達

「まっ、良いか!賢い話す馬達は役に立つ」

⦅良く無い!サイちゃんムチャクチャだよ⦆

 誰かぼそっと呟いてる。

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