第31話 腐れ男爵
3人走りに走り、閉門仕掛けた所を潜り抜け、何とか外に出る事が出来ました。
外とは言え、ここはナカノ大町の一部、面倒事が起きる前に町から少しでも離れるのが良策。
「野営は中止!!直ぐにここを離れる!!撤収!!」
慌ただしく、全員が撤収準備している最中、門が開き馬車が出て来ました。
馬車から降りて来た男が、偉そうな態度で
「自由民トシナガ、リュウザキ、ミナサキ、男爵様がお呼びだ」
「·····お前が男爵か?」
男はムッとした表情で答えました。
「いえ!私は男爵様の執事で御座います」
「男爵の執事ごときが、私達を呼び捨てか?平民!!無礼討ち覚悟の言い分か?
それに、『男爵風情が、私の都合も聞かず呼びつけるとは、身分をわきまえろ!!』
と、伝えろ!
『用が有るなら、出向いてこい』
とも伝えて置け!!」
今まで男爵様に、楯突く者が居なかった為、意外な成り行きに困惑しながら、執事は帰って行った。
大急ぎコピーした革鎧を全員に配ります。
「ミラト!スローイングナイフ、何本いる?」
「出来れば10本欲しいです」
「では20本渡しておく、弓が欲しい奴取りにこい!!」
弓が欲しかったのは、名はナッス、結構弓名人だそうです。
洋弓と矢を100本渡して置きました。
私達3人は腰に刀を差し、最後に全員に、鋼のロングソードを配り、臨戦体勢で撤収!!
「隊列を組み、早足行軍開始!!」
武装に手間取り、あまり街から離れて居ません。
地鳴りを立てて騎馬隊が押し寄せて来ます。
30騎が行く手を塞ぎます。
「生意気な小娘!!儂はナカノ男爵である!!!」
「男爵風情が偉そうに!!私は異界のトシナガ家、当主トシナガ-サイ!!無礼者の男爵成敗する!!!」
嘘はついて無いよ一人暮らしの私は当主、当主に対する無礼敵対は、返り討ちにしても良いよね?
言うなれば、女性当主を襲う強盗行為だよ!私は腹を括った。
折角逃げて接触回避しよう思ったのに、この芋男爵め!!予定変更!滅ぼす!!!
「スリングショット!!弓!投てきナイフ!!馬を狙え、射て!!!」
スリングショット豪君、進君の連射だけで十分過ぎる攻撃です、弓のナッスに投てきのミラトが加わり、数十秒で全ての馬に被害が出、暴れる馬から騎兵と男爵が転げ落ちています。
私は男爵に駆け寄り、首を跳ねて討ち取り
「無礼者男爵、討ち取った!!命令されただけの騎兵は見逃してやる!!」
騎兵達は走って逃げて行きました。
傷付きながらも、馬達驚異から一目散に逃げて行く。
『将を射んと欲すれば馬を射よ』とは言え、罪の無い馬が死ぬ様な事が無かったのに、安堵しました。
「サイちゃん!男爵殺し、大問題になるよ」
「異界の貴族、女神と御使い様が何をやろうが問題無しよ」
「異界の貴族じゃ無いし、馬の無事を喜ぶ位なら、男爵も穏便に済ませれば良かったのに」
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