第30話 ナカノ大町

 下りは予想外に早く、山の裾野すそので野営するにはまだ日も高く、小休止後ナカノ大町目指し駆け足行軍開始します。




 薄汚い、ナカノ大町の門が見えたのは、夕方でした。


「通行税は一人大銀貨1枚だ」

「高!!」


「豪君、進君、道から外れ野営準備!」「「はい!」」

「剣以外の武器欲しい者!」

 二人が手を上げた。

「お前は何を希望する?」「弓が欲しいです」

「お前は?」「投てきナイフが欲しいです」

「私に同行は、ゴリス!ナイフのお前!他の者はこの場で待機、豪と進の指示で動け!!」



 大銀貨3枚出して、門を通ろうとすると、門番二人が立ち塞がり

「嬢ちゃん、えらくフザケタ真似をしてくれるな!!大銀貨では通さん事にした、あそこの人数足して小金貨5枚出してもらう」



「キサマ!!無礼討ちにして遣ろうか?」

 門番一人をぶっ飛ばし、残りの一人に、自由民の通行手形を見せ付けました。


 一瞬で門番は青ざめ、さっと土下座して

「自由民様!!申し訳有りませんでした!!!どうぞ!お通り下さい!!!」


「二人の顔は覚えた」

 土下座男に聴こえるよう、耳に近寄りボソリ呟いて、通り過ぎました。


「予想通り腐った町だね、長居は無用武器防具を買って、即撤収!!」


 ゴリスの案内で、武器防具店に入った。

 武器屋のオヤジがギロリ睨み、無言のまま。


「オヤジ!革鎧と剣、投げナイフを見せてくれ」

「·····大金貨50枚、無ければ帰れ!」

 睨んだまま、動こうとせん。


「腐ったチンピラ貴族の町は、店まで腐って居るのか!!無礼討ちにして遣ろうか!!」

 ゴールドハンターカードと、通行手形を叩き付けて言った。


 態度の悪いオヤジは、蒼白になり飛び上がったと思うと、ジャンピング土下座してた。

「じ、自由民様!お許し下さい!!」


「許さん!!!

 所だが、この二人の革鎧と鋼のロングソード、スローイングナイフで許してやらん事も無いぞ?」


 オヤジは大慌てで鎧と剣ナイフを積み上げました。

 何振りもある中、一番見事な一振りと試着中のゴリスとミラトの鎧二つを収納、ミラトに10本程の中から一番バランスの良いスローイングナイフを1本選ばせて、それも収納して店を出ました。


 胸くそ悪いこの町を、大急ぎ出る為3人駆け足で門に向かいます。

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