第27話 神界のエピソード

 荒くれ盗賊どもは、予想外に頑丈でした。

 あれ程容赦無く撥ね飛ばしたのに、死者0とは。

 骨折に引っ掻き傷程度、複雑骨折重傷者は居るが、命に別状無し。


 痛みに呻いているのを、放っては置けない平和ボケ日本人です。

「治療してやる!!おとなしくしてろ!!!」

 災害持ち出しリュックの中の、消毒薬と大判カットバンで盗賊達の傷の手当をして回りました。


「サイちゃん!!回復魔法が使えるよ?ステイタス確認して!!」

「魔法?······そう言えば、イグリス神と交渉中、チートは魔法って言ってたね、二人が全く魔法使わないから、忘れてたよ」


「魔法、試す機会が無かったからな」


「有ったわ!!回復魔法全てって書いてる、それと火魔法水魔法風魔法土魔法、の全て?応用創作魔法って何?」


「サイちゃん、魔法はイメージが大切だよ!盗賊に治療魔法かけるなら、全員が元気に元通りに回復した所をイメージして、何でも良いから呪文を言って、魔法を発動させる」



「そんなので、魔法が使えるの?」

「試しにやってみれば!回復魔法だから、失敗しても大丈夫だよ!」


「盗賊達全員が元通り元気になる·····チチンプイプイ!!」

(ぷっ!変な呪文)


 辺り一面、光に包まれました。

 光は光度を増し、目を開けて居られない眩しさが続きます。


「さ、サイちゃん!!何した?」


 光が収まり、辺りが見える様になりました。


「何してるの?」


 回りには、平伏する盗賊達。


「女神様!!!」

 声に振り替えると、村人達まで平伏してました。






 閑話休題それはさておき

 ここは神界です。

 イグリス神が、ユーフラット神から、定期報告を受けて居ます。


『おうっ!ユーフラット、世界はどうだ?』

『主神、何とか均衡を保って居ります』

『クッククッ』

『何ですか主神?気持ち悪い笑い』


『ククックゥ···それがじゃな、可愛い子供が3人違法召還されてのう!』

『最近、100年程無かった事ですが、どこのバカが?』

『それは良い、悪質では無かった。それより3人、特に女の子が可愛いんじゃ!!』


『子供が大人ぶって、年齢詐称する事があるが、3人皆同じ位で12歳が、男の子2人は控え目に17歳大人だぞ!って可愛ゆくて笑えた。

 じゃが、女の子はクッククッ!70歳じゃと!!60歳の詐称!もう爆笑するの我慢するの大変じゃったぞ!!

 70歳では大人通り越して、ババァじゃ!ワッハッハ

 あんまり可愛いから、少女だけ特別に魔力じゃ無く、神力を授けてやった』


『イグリス神?神力を授けたら、成長と言いますか、老化しないのでは?』


『······ありゃ?3人の子供、皆12歳に身体設定···3人共老化を忘れておった···あのまま大人にならん···まっ良いか?些細な事じゃフフッ』


『主神!笑って胡麻かさないで下さい!全然、些細じゃ無いですよ!!』



 主神様、久し振りのヤラカシ!

 そもそも違法召還だって、イグリス神がヤラカシた現象なのです。

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