第14話 襲撃者

 解体中の翼竜、股肉が欲しいと話すと、リズさんが走って行き1キロ程の塊を持って来てくれました。

 お金を支払おうとしましたが、受け取ってもらえませんでした。



 日も暮れたので、討伐依頼等の説明は明日にする事になり、リズさんの案内で、この町の高級宿に向かっています。


 宿屋はギルドの近辺に5軒有るそうです。





「あれ?三人程後をつけて来る」

「サイちゃん、偶然同じ方向に行く人じゃね?」

「悪意を感じるよ!この角を曲がって!」

「トシナガ様、この先は袋小路ですよ?」


 小さな広場にたどり着きました。

 日中は、子供達の格好の遊び場なのでしょう、木切れが転がってる。

 私も覚えが有るわ、家に持ち帰ると、直ぐに焚き付けにされるから、大切な玩具の隠し場所ね。

 少女雑誌は特に隠さないと、知らない内に風呂の焚き付けにされるの。


「迎え討つには最適の場所!構えて、来るよ!!」


 リズさんを後ろに庇い、横一列で盗賊を迎えます。


「逃げ込む場所考えん、ヤッパガキだわ」

「子供が持つには、不釣り合いな大金、俺達が管理してやる」

「有り金全部渡してもらう」


「私達自由民よ?無礼討ち覚悟してる?お子さん3人」


「自由民だろうが、死人に口無し、生かして逃がす気はねぇ!!」


「それを聞いて安心したわ、無益な殺生じゃなくて、害虫駆除って世の為になる。

 抜刀!!突け!!!」


 練習の甲斐あって、私達同時に相手を突いていました。

 豪君に進君は、私の号令に勝手に身体が動いたようで、相手を突いて、驚いた顔をしてる。


「抜け!袈裟懸け!!」

 演舞の様に3人揃って、右斜め上から相手の首筋に、刀が降りおろされ引き斬り、暴漢3人は絶命しています。


「相手の衣服で、刀の血糊を綺麗に拭き取れ!!」

「「うげっ!!」」

 と言いながら、素直に刀の手入れをしてる。

「このまま納刀すると、次回抜刀に引っ掛かりが出来、支障をきたす!!丁寧に拭き取れ!!!」



 二人を見ると、小刻みに震えてる。

 魔物討伐で無い、悪人とは言え初の殺人の後遺症か。

(刀の柄から手が離れないのね、平時の指の取り方の極意、指導するのわすれてた、中指と親指で軽く輪を作るの、それを常に保って居ること)

 学生運動とかの、荒波乗り越えて来た私とは、メンタル面が違うね、ひ弱だわ。


「ここは、命が安い世界!ハンター続けてると、いずれ盗賊討伐やる必要もあるよ!!シャキッとしなさい!!!」


(優しくするより、ハッパ掛ける方が効果的なはず、スパルタで行くよ!)

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