第12話 ハンターギルド
「じ!!自由民の方達が、ハンター登録ですか?」
がらの悪いオジサン方の注目する中、私の先導で受付窓口に、発行された通行手形を提示し、ハンター登録する旨を伝えた結果です。
「しょ、少々お、御待ち下さい!!ギルドマスターに相談して来ます」
一瞬の静寂の後、辺りのオジサン方が騒ぎ出しました。
「「自由民様が登録だとよ!」」
「自由民様が、冷やかしかよ!ふざけるな!!」
自由民は貴族扱い、最底辺食い積め者、元犯罪者、ごろつきチンピラ等、他に選択の余地の無い者達が行き着く、多くのリスクを承知でやる命懸けの職業とされて居るハンターです、恵まれた立場の自由民が着く職業では有りません。
この時の私達は、知らなかったもので、何を騒いでいるか理解が出来ず、お約束の新人いじり位にしか、思って居ませんでした。
殆ど待たされる事無く、受付嬢が「ギルマスがお待ちです!こちらへどうぞ!」
と、奥の部屋に通されました。
部屋に入ると、盗賊団のお頭かと思われる、厳つい風貌の大男が直立で迎えます。
「どうぞ、お掛け下さい!」
私達にソファーを勧め、着席を待ち立ったまま、ギルマスが話だします。
「通行手形を拝見いたしました。自由民の御3方が、ハンター登録されるとか?」
バリトンの意外な美声で、ギルドマスターが問い掛けてきました。
「何か問題有りますか?」
「問題は有りませんが、ハンターはいつ命を落とすか知れない、危険な職業でして、自由民の方はもっと他に幾らでも仕事があるでしょう。
町役場や商家に私が紹介致します!」
「いや、折角ですがハンターでやって行きたい」
「はい···ギルド登録は直ぐに出来ますが、ゴブリン魔石ですと毎日10個以上採集しないと、生活できませんよ?」
「そうそう!早く登録して買取りして貰わないと、宿賃も無いのよ!」
「何をお売り下さいますか、ゴブリン魔石でしょうか?」
「ゴブリン魔石26個と、ワイバーン丸ごと」
「ワイバーン丸ごと?···流石自由民様、大容量収納袋をお持ちで!!こちらにお越し下さい」
⦅収納袋って有るんだ⦆
進君が呟いてる。
「違法召還された、誰かの開発じゃね?」
豪君が答えてる、インベトリー収納って一般的なのね。
『サイちゃん!違うよ一般には出回らない、貴重なアイテムだよ!って教えたい』
解体査定の倉庫に通され「ここにワイバーンを出して下さい」
豪君が、ズドンとワイバーンを出しました。
「こ、これは?こんなデカイの見た事ねぇ!!」
「ワイバーンじゃねぇ翼竜だ!!!」
言われた通り取り出すと、大騒ぎになりました。
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