第7話 強敵ワイバーン

 最初にゴブリンを一刀で斬り裂いた、自信がついたよう、順調に二人、ゴブリンを倒しています。


 最近の男の子って、ヘタレだね、ゴブリンの胸を切り裂き、魔石を取り出すの「キショイ」って、出来ないの。

 ハマチやツバス、3枚に卸すより簡単なのに。


 因にブリの小さいのがハマチ、もっと小さいのがツバスよ。

 サバよりデカイツバスが、頭だけ取って1匹300円で売られてる事があるよ。


 ゴブリン20匹程倒し、二人はLV4になったそう。

「ふはぁ~~、疲れた!」

「豪君は、無駄に刀を振り回すから、疲れるのよ」

「進君の無駄の少ない斬り方見習って!」


「進は初段!俺1級、比べるな!」

「あら、そうなの?素振り見て、二人共初段かと思ったわ」


「ぐふっ!そう?初段に見えた?」

「刃筋が確り通ってるよ!」


「俺剣道形か筆記試験で落とされた」

「筆記試験問題は?」

「一足一刀の間合いと正眼の構え」


「どう回答したの?」

「飛び込んで一本取れる間合いと、剣道の基本の構え」


「うふっ、それじゃ合格しないわよ


 もう初段受ける機会は無いでしょうが、飛び込むなんて遠間だよ

 一足踏み込む事で、相手を打突出来る間合いと書いていれば、合格点


 正眼の構えは、竹刀の握り方から書く必要があるよ!右手はつばから握り拳半分空けた位置を上から軽く握る、左手は柄頭つかがしらに小指から力を込めて握って行く


 へそから握り拳一個空けた位置に柄頭が来るよう、切っ先の延長が相手の眉間に位置するよう構える


 目附めつけは遠くの山を眺める様に、相手の全体を見る!

 最低これだけ記入しないと合格点もらえないよ!!」


「目附?」

「正眼の構えって出題は、結構意地悪な問題なのよ!確り基本を学んで居るか、見極めるためよ!

 初段程度は其ほど厳しく無いけど、弍段参段の筆記試験は厳しいよ!!」


「「サイちゃん、スゲェな!!!」」

「胴で一本を取るのは、大袈裟に打った胴を見続ける目附が必要なのよ」

「そうだったの?胴を完璧に打っても、一本貰った事無いのは、目附だったのか!!」


「簡単なアピールだけど、指導者も知らない人多いよね」

「サイちゃん?何者?」

「スポ少で指導員やってたの」

「剣道の先生やってたの?」

「私が指導した子は、皆中ニで初段取ったよ」

「正眼の構えの話に戻すけど、相手の動きに、素早く対処出来る正眼の構え、確り基本を習得しないと、薙刀や槍の相手には舜殺されるわよ!!」







 突然辺りが暗くなり、突風が吹き抜けます。

 風が収まり、目を開けると、巨大な竜がゴブリンの死骸をついばんでいました。


 鑑定ではワイバーンとの事ですが、全長10メートルは有る翼竜、勝てそうな気がしません。


⦅皆!静かに後退!⦆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る