第36話 勝川派破門―其ノ弐
春章の
この当時、春章は役者絵で一世を
入門してわずか一年後、春章は北斎の非凡な画才を認め、「勝川
春朗の「朗」は、春章が
しかし、この画号が後々、兄弟子たちの
春朗こと北斎は、群を抜く画才ゆえに勝川派の中で孤立しがちな存在になった。
とりわけ弟子の筆頭であった
こんな話がある。
それは某日、北斎が絵草紙屋から注文を受け、看板絵を描いた折のことである。
その看板を見世の軒先に掲げようとした丁度そのとき、春光がたまたま前を通りかかった。
春光はすかさず
「なんでえ、なんでえ。こんな下手な絵を描きやがって。
しかも、罵りつつ、北斎の目の前で、その絵を破り捨てたのである。
春光は底意地の悪い男であった。
師匠の春章が病で没するや、古参の弟子
破門の名目は、「勝川派以外の他派から絵を学んだ」ということによる。
当時の浮世絵界は、師の筆法を
無論、このような
北斎は狩野派や土佐派、大和絵、四条派、
和漢洋の画法を自家
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