第18話 シブヤ区ふれあい植物センター2
センター長のモトミヤは、疲れ果てていた。
青天の霹靂とでもいうのだろうか、テロリストがまさか自分の職場に潜伏しているなど考えたことがなかったからだ。
受付の担当だったカワイさんに怪しい人はいなかったか聞いたり、午後から出社予定だった職員に来ないように言ったり、影響の出ていなさそうなエリアのお客様をさりげなく脱出させたりやることはいっぱいだった。
カワイさんの話によると、怪しい人物は2人に絞られていた。
自転車で来たというガタイのいい男と、全身黒ずくめのグレーのリュックを背負った男。
後でわかったことだが、前者はたまたまやってきた警察官と言うことらしいので、黒ずくめの男に会っていないと言うお客様には脱出してもらった。
スタッフの中には残りたいという人もいたが、その男を直接見たカワイさんと自分以外は脱出してもらった。
客として滞在しているのは精々10人程度だろう。
自分たちを入れて12人。
そのうち、既に被害にあったと言われている子供が一人。
他に何人の被害者が出ているのか分からないが、このまま無事に脱出できることを祈ることくらいしかモトミヤには出来なかった。
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