一日目 午後①
第13話 着信
12時02分。
帰ろうとしていた俺の仕事用のスマホが激しく振動した。
俺は慌てて取った。
「はい、スギモトです。」
相手は、俺の上司のサネミ警部補だった。
「どうしたんですか、何か事件ですか?」
サネミさんはいつもの飄々とした感じで俺の質問には答えずに言いたいことだけ言ってきた。
「何か、お前さん、今シブヤの植物園に来てるらしいな。」
俺はどこかに監視カメラでもついているのではないかとあたりを見回した。
が、それらしいものは見当たらなかった。
「そうですね、でも何でそんなこと知ってるんですか?」
「そこにな、シブヤで起きてる例のテロリストがいるらしいんだわ。そのまま潜入してちょっと捕まえて来てくれや。うまく行ったら表彰もんだぞ?」
「いや、一人でですか?失敗したら俺、死ぬんですけど…。」
「その時は俺より上に昇進だろ?」
そういう話ではないだろう、と思いながら話をつづけた。
「とにかくだ。外の封鎖は終わってるらしいから、さっさとホシ見つけて出てこい。お前、ワッパも持ってないだろ?」
いや、その前に丸腰だっての。
と言ったところで話の通じる相手でもないので、俺は渋々潜入捜査を引き受けることとなった。
何でこんなことになったのか、後悔したが後の祭りだった。
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