第11話 息子を探して
ほんの少し、目を離しただけだった。
お手洗いに行くのに、ほんの少しここで待っていてねと言ったのが最後だった。
ワカマツレイナは五歳になる息子のタケルを連れて近所の植物園に来ていた。
ここにはいろんなイベントがあって本物のカブトムシやホタルなどと触れることができる場所があった。
今日は何のイベントがあるのか、息子はワクワクしながらついてきた。
ついてすぐにお手洗いに行ったのが悪かったのか、戻ったときにはその場所に息子の姿はなくなっていた。
代わりに、来た時には見覚えのない大きなサナギがあった。
こんなに大きなサナギは今までも見たことがない。
でも、それどころではなかった。
レイナは園内を探し回った。
職員さんにも聞いて回った。
だが、息子が外に出たという話は出てこなかった。
もしかしたら、かくれんぼのつもりかもしれない。
レイナは大声で何度も何度もタケルの名を呼びながら園内を歩き回るのだった。
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