第9話 監視カメラ

情報解析班のシオジリは、公衆電話の通話記録の照会を行うと、小さく一つため息をついた。

場所の特定が済んだのである。

そもそも数の多くない公衆電話を特定するのはそれほど大変ではなかった。

犯人がかけてきた公衆電話はシブヤMOBIの傍にある電話BOXからだった。

あの辺りは、スクランブル交差点に比べると人通りが少ない。

後は監視カメラのチェックを行えば必ず犯人につながる手掛かりが見つかる。

そう確信していた。

もしかすると、犯人は見つかることを恐れていなかったのかもしれないとも思った。

何しろ、犯人の言うことが本当であれば手の中には新種の細菌兵器が存在しているのだからだ。

ヨコヤマ室長に報告を行い、現場に出ている署員にMOBI周辺の監視カメラ映像を手分けして確認してもらうことにした。

犯人については、これで尻尾が掴める。

シオジリはうっすらと笑みを浮かべるのだった。

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