第6話 NHT報道局
午前10時50分。
NHT(日本放送テレビジョン)の報道局内はにわかに騒めいていた。
警察の動きを察知した記者の一人が情報を持ち帰ったからだ。
ただし、まだ報道規制が入っている情報なので迂闊に取り扱うことができない。
「新種の細菌兵器って本当なのかしら。」
女性アナウンサーのコンノミドリは不安をあらわにしていた。
「まだいたずらの可能性もあるらしいから、むやみに心配しなくてもいいと思うよ」
コンノの先輩でもあるワタナベアナウンサーは笑顔でそう答えた。
だが、犯人がシブヤにいる可能性があるというのは気持ちの良いものではない。
もし、実際に細菌兵器が存在し、それを使ったテロが起ころうものなら、世界で日本は孤立することになる。
この情報を発信するには警察の報道規制が解除されてからでなくてはならない。
報道に携わるものとして、この危機が現実のものになった場合のことも考えておかなければならない…と、ワタナベは密かに思うのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます