「会いたい」

 「会いたい」急に来る会いたいというメッセージに私はドキドキだった。誰かに会いたいと言われることは少なかったと思う。こんなにも直球で会いたいと言われると断れない。必要とされていると思うからか、いや、そのときは私はその気持が嬉しかった以上に私も会いたかったのだと思う。

 その日も彼はミルクティーを飲んでいた。夜は開いてる店も少ない。ドンキに行って買い物をした。彼はなにかほしいと言っていたが、主に私の買い物になってしまっていた。携帯の充電コード、芳香剤、タオル等々、新しい生活を送る中で必要だと思っていたものをその時に一緒に探して買った。

 会いたいと言って会える関係、そして、1、2時間のために往復2時間かけて私のところまで、仕事終わりに来てくれる彼に一気に惹かれた。

 「この匂いよくない?いや、こっちの方かも」

 「あー、こっちかな」

 そういってアロマスティックにお互い顔を近づけて芳香剤を選ぶことが楽しかった。そして初めての至近距離で、私は普通の顔をするので精一杯だった。心臓はバクバク、ただの買い物と言い聞かせていた。


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