プロローグのあらすじ
プロローグ 一兎追う者
回想:悠真には幼馴染の女の子がいていつも一緒に行動していた。お互いファンタジー作品が大好きでよくそんな話で盛り上がっていた。しかしある夏の日にその幼馴染は川で溺れて亡くなってしまう。その喪失感に耐え切れなかった悠真は人と距離を置くようになってしまう。
それから数年が経ち、中学を卒業した悠真は春休みに一人街へと繰り出す。話題となっていたファンタジー映画を見るためだった。映画開始まで時間があったので行きつけの本屋によって面白い物はないか物色する。その後映画の時間が近づいてきたので映画館へ向かう悠真は途中で人だかりに遭遇する。その中央では一人の少女がマジックを披露しているようだった。その姿に既視感と懐かしさを覚えた悠真だったが映画の時間も近づいていたこともありすぐにその場を後にした。
映画を見終わった悠真は興奮覚めぬうちに感想をネットにあげるため落ち着いた場所にとよく入るカフェに行き腰を落ち着ける。そうしてスマホに噛り付く悠真は一人の女性に声をかけられる。一人席が埋まっているそうで相席を求められ、悠真はOKを出したがその相手は少し前に見かけたマジシャンの少女だった。
正面で向かい合って近い距離でその顔を見て悠真はその少女にかつての幼馴染の面影を重ねてしまう。大した内容のない会話をして先に喫茶店を後にした悠真は家の前で何者かに襲われて死にかける。そこにマジシャンの少女が駆け付けたことで襲撃者は撤退するが深い傷の為悠真は気を失ってしまう。
目が覚めた悠真は自宅のベッドにいて受けた傷が跡形もなく消えていたのですべては夢だったのだと思ったがそこで見覚えのないウサギが姿を見せたかと思うと急に人の言葉を話し始める。
ウサギが語るには悠真の命を救う代償としてウサギの姿になってしまったのだそうで悠真に責任をとって代わりに学園に通えと言い始める。そのウサギ、トアが言う学園は普通の学園ではなく魔導士見習いが通う学園だというが……。
魔法と聞いて二つ返事でOKを出した悠真はトアに言われるままに準備を開始する。このままトアと入れ替わって入学というわけには言えないということで学園にいる関係者と連絡を取ることに。
どうにか連絡を取り学園の教師の雪姫と出会うことに成功するが生徒を害する悪と勘違いされて捕縛されてしまう。しかしウサギとなったトアの説得もありどうにか解放される。
その後悠真とトアと雪姫の三人で話し合いが行われトアが「公明の魔術師」の名で魔法界隈では有名人であることが判明する。幸いなことに名前や性別、容姿などは知られていないということで悠真が代わりになることは可能とのことで、どうせなら「公明の魔術師」の名は隠していくことで悠真は他の2人に同意をとらせることに成功する。ただ「公明の魔術師」が入学することは知れ渡っているそうなのでもしものために無様な成績はとらないようにと学園ないでトアがフォローしてくれることになった。
正式な手続きがまだということで悠真はトアと一緒にはじめて新日本魔法学園へと足を踏み入れる。その学園の入り口で悠真は二人の少女と出会う。悠真と同じで手続きに来たという真紀亜と雪姫に案内を頼まれたと語る秋姫だった。どう見ても自分たちより年が下にしか見えなかったが秋姫は勝手の知ったる学園だという様子で職員室に移動しながら学内のことを淀みなく説明していく。
職員室で雪姫と会い、秋姫が彼女の妹で学園生ではないが姉の立場を利用してよく遊びに来るのだということが判明する。
諸々の手続きを終えると秋姫の提案で学食でお昼を悠真、真紀亜、秋姫の三人(+トア)でとることに。悠真と真紀亜は秋姫の近い距離間に戸惑いながらも食事中に自己紹介を行う。
食事を終えた後もぐいぐい来る秋姫をどうにか退けて悠真は二人と別れ学園を後にする。
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