13 皆さんお待ちかね、お風呂回です!!(但しエロくなるとはだれもいってないw)

王都に向かって旅に出た一行は途中の町「トチーア」に到着し宿を取った。飯良し部屋良しの上に風呂も完備されてるとあって盛り上がる女性陣(といっても3人中の2人ではあるが)果たして混浴なのか!?…という意識は無いショウ。本人曰く「疲れたから早よ寝たい」だそうだ…枯れてるんか!?

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- トチーア門番、お勧めのお宿へご案内! -


「ふわぁ~…眠い」


眠気マックスで歩くショウ。シィナもまだ目がショボショボしながら後を付いて歩いている。カオルだけは平常運転な見た目だが興奮してるのが体の動きから見て取れるだろう…尤も、ショウはカオルに手を引かれてるだけなので気付いてすらいないのだが。…尚、馬車は既に宿の者に引き渡してあり、お任せで良いようだ。


「猛き探索者ご一行ですね?」


聞くところによると門番の方から連絡は来ており、後は何日泊まるかいうだけでいいらしい。確かに料金はリーズナブルで紹介されただけはある。更に…


「本日の宿泊料は無料で構いません。明日以降は頂きますけどね?」


と、ウインクする受付のお姉さん…ということだ。どうやら宿でもトチーア周辺に盗賊団(自称は追い剥ぎ団だが)に旅人や商人の襲われて困っていたという話しで、宿泊する客に事欠く状況だったらしい。ショウたちの活躍により、次第に人がくることになるだろうとの宿の人たちの感謝の気持ちだ。カオルは有難くその感謝の気持ちを頂くこととし、


「ありがとうございます。お姉さま!」


と、恭しく頭を下げた。


「あら、気にしなくてもいいのよ?…これは感謝の気持ちなんだから♪」


と、お姉さん扱いされた宿の女将さんは、美少女に感謝されて気分も上々となっていた…(尚、年齢はさn(ごしゃあ!)…ぴー…)



「はふぅ~…やっと、寝む、れ、る………」


ショウは用意された部屋のベッドに倒れ込むと、着替えもせずに眠り始めた。元々ジャージの上下で着た切り雀なのだが、日本の旅館と違って浴衣などが用意されている筈もなく。少々汚れてしまうだろうが元々冒険者相手の宿屋だ。苦言は漏らされないだろう(陰で文句をいう従業員が居るかも知れないが…(苦笑))


「う~ん…お風呂入ってすっきりしてから寝ればいいのに…」


流石にまだ早朝の時間帯で朝食までは時間がある。旅の汚れを落としてから寝ればいいのにと思うカオルだが、部屋の椅子に座ってうつらうつらしていたシィナが急覚醒し、カオルの服を掴んでがっくんがっくんしながら問い詰める!


「お…お風呂があるの?…それってマジ!?」


短い付き合いではあるが、余りの言動の違いに…


「う…うん。内風呂じゃなくて共同風呂…男女別だけど…があるって」


そこまでいうが早いか、シィナは部屋をダッシュで出て行き…着替えを取りに戻ってからまた出て行った…


「うわぁ…エルフってキレイ好きなんだ…」


多分、大抵の女性はそうだと思う…。そして、シィナの言葉使いの激変が過ぎる…風呂と聞いてはっちゃけたか?



- 共同風呂・女湯 -


「ふぅ~~~…お風呂は命の洗濯よねぇ~!」


どこかで聞いたような台詞を零して湯舟に体を伸ばすシィナ。エルフの年齢は不詳な所があるが、嫁入り前のお嬢様が取るような姿勢ではない。早朝が幸いして他の客はカオルのみであるが…


「…折角の好意で朝早くに風呂を開けて貰ったんだし、ショウくんも来れば良かったのにねぇ~」


「同意」


尤も、男女別なので一緒に入る訳にはいかないが。…もし、同じ湯舟に浸かることになった場合は湯舟が赤く染められて清掃を余儀なくされていただろう。唯でさえ疲労して弱った体だから無理強いは良くない…と思われる(そういう問題ではないかw)


「…で、今までドタバタしてたから聞きそびれたんだけど…あなた、何者なの?」


シィナはショウが召喚した英霊か何かだと思ったがどうも違うらしい。ショウ本人からは具体的な回答は得られておらずどうも話し難い内容らしいと推測される。それならばと、この機会を用いて召喚された本人に聞きだせばいいということになったようだ。


「ん?…わたし?…ん~」


カオルは話してもいいのか?…と逡巡したが、どうも彼女はこの世界に放り出されたマスターショウの恩人らしい…という情報を入手しており、現在進行形で世話になっている人物だと認識している。


(ん~…それなら、話しても大丈夫、かな?…この世界の文明レベルに合わせれば…それ程問題にならないだろうし…)


カオルは現状をそう解釈し、話すことに決めた。但し全てではなく、殆どの情報は秘匿し、一部だけを掻い摘んで、だが…。



「そ、そう、なんだ…苦労したのね…」


「あ、うん…」


流石に湯舟の中では湯あたりする…ということで、風呂からあがった後に借りている部屋まで戻って話すことになった。幸いというかショウは熟睡しており、朝食の時間までは起きる気配も無いのも幸いした。そして、当たり障りない程度にでっち上げた自身の生涯(少しだけ真実を含めるのがバレないコツ)を話し、魔法が現実に行使できるこの世界で現れた成り行きを話したのだ。


(この姉ちゃん、こんなに涙脆かったんだ…後、半ばでっち上げのお涙頂戴話しなのに…。何かこの先、悪い奴に騙されそうで怖いなぁ…)


カオルの心配もご尤もだ。何しろ、渉外担当は見た目脳筋パワーファイターであるエンバートであり、シィナはパーティ一行の深窓のお嬢様戦闘にだけ活躍担当だった。見た目だけはいいで交渉の席では席に座ってニコニコとしているだけで一言も話さずにいることが多かった。ガイルは見た目はいいが脳筋である為に、立ち位置は違うがお飾りでいることが多かった(役割としては背後でどっしりと座っている用心棒担当?)


「…わかったわ。あなたもショウくんと一緒に行動することを許可します!…一緒に頑張ろうね?」


お涙頂戴ストーリーで陥落したシィナを他所に、カオルがぺろっと舌を出してこう思った。


(ちょろ過ぎ…でも、まぁ、マスターと一緒に居られるようになたのは僥倖かな?…懸案の1つが減ったのはいいことね…)


がしっ!…と握手を交わしながらカオルは思う。これで、ようやくこの身を捧げることができると…。ショウの物語の中での話しになるが、永い永い時間の中で想い続けていた、たった1つの願いが成就される日も近い…と。


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永いといってもショウくんの年齢は前世?ではアラサーにも至ってないくらいです。考えてた物語というのはストーリーも作られておらず、プロットも大雑把でしかないものでした。が、出演するキャラとしてのカオルはその設定と絵は描かれており、言霊と似たような絵霊とでもいうのでしょうか?…原作者が知らない内に、想の世界で生きて活動していたのかも知れませんね…それこそ5000万年とか1億3000万年とか(んなバカなw)

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