09 ハイミト村依頼完了!
ショウサイドで牛頭魔人を撃破しました
━━━━━━━━━━━━━━━
- 依頼完遂? -
牛頭魔人を撃破し、村長であるドリア・ミートコンにその骸と討伐証明部位である角を見せた後、シィナを残して取り敢えずギルド出張所に報告をしに向かった。ハイミト村周辺では現れることのない
それから1週間…村長宅周辺以外にも畑のある周辺全域に警戒網が広げられた俺たちは…毎日ひぃひぃいいながら警戒に当たっている。…専ら悲鳴を上げているのはシィナさんだけなのだが…
「今日はもう無理…MP切れ寸前だわ…」
「じゃ、後は俺とカオルが代わります。シィナさんは休んでいて下さい」
うっかり村長にその場を動かずとも偵察できる旨を漏らしたのが失敗だった。ならばと、村の周辺にある畑全域の警戒をいい渡されてしまったのだ。体を動かさなくてもいいならば、そのくらい楽勝だろう?…ということなんだが、魔力(MP)は無限に湧いてくる訳ではない。その辺の理解がないみたいで、一度こうと決めたら聞く耳を持たないようで困る。
「困ったなぁ…俺も無限のMPを持ってる訳じゃないんだが…」
そういえばとステータスボードを見てみる。
【性能諸元】
---------------
名前:ショウ(男)
職業:冒険者(初心者)
Lv: 5
SP:15
HP:11/11+
MP:11/11+
頑強:11+ 筋力:10+
精神:13+ 知識:15+
器用:10+ 運 :21+
---------------
【技術】
固有:錬金術Lv1 武器精錬Lv2 道具精錬Lv1 薬精錬Lv1 鑑定Lv1 全言語読み書きLv1 偵察Lv1 自動回復Lv1(NEW!) 念話Lv1(NEW!)
汎用:盾術Lv1 剣術Lv1 対人戦闘術Lv1 土魔法Lv1 回復魔法Lv1
---------------
【装備】
出刃包丁 出刃包丁の鞘 ジャージ上下 運動靴
---------------
(ありゃ?…あぁ、牛頭魔人を倒したからレベルアップしてたのか…つか、全然気付かなかったな。戦闘中はアナウンスは自粛するんだろうか?)
単純に集中し過ぎていて気付かなかった線が濃厚だが、落ち着いている時にいつでも確認できる訳だし問題はないだろう。
(…って、自動回復?…前には無かったよな。まぁ(NEW!)って出てるし…詳細はっと)
・自動回復Lv1…体力(HP)、魔力(MP)を一定時間で一定量回復する。通常、完全休憩状態(就寝)で8時間を掛けて最大量の半分を回復する(HPのみ。MPは完全回復する)所だが、戦闘行動中でも1時間に1割が回復する。また、起きている状態で安静にしていれば本来の回復度に加算され2割づつ回復する。完全休憩状態(就寝)では半分の時間で回復を終えることができる。が、普段の半分しか睡眠を取らない場合は寝不足によるデバフ(睡眠不足によるふらつきなど)が発生するのでお勧めしない。
※HP・MPは戦闘行動中や全力行動中(疾走してるなど)は回復効果は半減し、起きている状況で徒歩などの行動中は1時間に1割回復する(体の状態が良ければ、だが)空腹時は回復しないので注意が必要。
(えっと…)
えらい詳細かつ長い説明欄を見て唖然とするが、要は自然回復に加えて自動回復分HPとMPが早く回復するということだと理解。だが、回復間隔が1時間と極めて長いスパンということは、戦闘中に頼るのは無謀だと思える。
(秒どころかコンマ秒で勝負が決まることが多いからなぁ…)
今後は防御かHPの増強も視野に入れた方がいいだろうか…と考えていると、レベルアップしてることに気付く。
(あ、ミノタ…牛頭魔人だっけ?…を倒して経験値が入ったんだな。このステータスボード、HPやMPは数値として見える癖に経験値とか疲労値なんかの数値は見えないんだよな…)
その他のステータスも微妙に大雑把で参考になるんだかならないんだか…仮に運営が存在するなら文句をいいたい所だ。が…この世界はゲームに非ず、現実なのだ。死ねば死んでしまうし、蘇生魔法などは今の所実在するのかしないのかすらも不明である。
(さて…前回は体に不安があったから頑強と筋力に振ったけど、今回はどうしようか?)
頑強に振った時、HPも追随して増えていた。精神の数値とMPが同じ。
(…ということは?)
試しにHPの+を1回タップしてみる。
SP:14
HP:ー11/13+
(ふむ…MPの方も同じかな?)
続けてMPの+をタップしてみる。
SP:13
HP:ー11/13+
MP:ー13/15+
どうやら直接HPとMPにSPを割り振ると関連するステータスの筋力・精神に割り振るより1多く増えるようだ。だが…
(これって、単に撃たれ強くなる、魔法やスキルを行使する回数が増えるだけでそれ以上に強くなれるって訳じゃないよな?)
基礎ステータスの筋力や精神を上げて行った方がいいような気がしたショウは、-をタップして元に戻す。
(う~ん…取り敢えず、割り振りは据え置いておくか。唯、魔法やスキルの使用回数にちょっと不安があるから、これだけは上げておくか…)
今後、何があるかわからない為にSPを少し残しておくことにした。ステータスはこのようになった。
【性能諸元】
---------------
名前:ショウ(男)
職業:冒険者(初心者)
Lv: 5
SP: 5
HP:11/12+
MP:20/30+
頑強:11+ 筋力:10+
精神:20+ 知識:17+
器用:11+ 運 :21+
---------------
(残SPは5と。何かあった時、これくらい残ってれば何とかなるよな?…多分、きっと…)
精神が20に達したことで、とある能力が開花したのだが、現時点ではその事実に気付くことはなかった…
- 数日後… -
「ふわぁ…暇だな」
牛頭魔人を討伐した初日から今日で1週間。時折、ゴブリンやコボルドなどの雑魚魔物が食料を求めて迷い込むことはあったが、すぐさまその時の偵察に当たっていない殲滅担当者が蹴散らしていた為に大事には至らなかった。全員で偵察をしていた場合、無駄にMPを消費していたり現地に到着が遅れる為、外を巡回する殲滅担当者と小屋の中で独自技術を用いて偵察をする偵察担当者で分けていたのだ。
(そうなると、連絡の手段はどうするか?…ってことになるんだが…)
そこは俺のユニークスキルが力業で解決してしまった。「念話」というスキルを取得し、契約した人物間で心の中で喋った内容が相手に届くというものだ。考えた内容全てが筒抜けではプライベートも何もあったものではないので、念話を行使すると念じると目の前にステータスボードが表示され、そこに念話先の選択と開始・終了のボタンが表示。念話先と開始をタップすると考えた内容が届くというものだ。前の地球で使っていたスマホに近い機能だが電波やキャリアなんか関係なく使える為、こちらの方がよほど便利だと思う。一定距離内ならMP消費も無いという所も便利な所だ。
(一定距離内ならMP消費無しってのは、それだけ空気中に魔素が漂ってるからなんだろうな…)
逆にいうと、魔素が薄い所ではその距離も短くなるのかも知れない。今後、要検証だろう。
・
・
『…定時連絡よ。そろそろ約束の時間になるわ。戻って来てくれるかしら?』
『…了解。一応1回巡回してから戻る』
『…了解よ』
話しの前で無言な間があるのは通常時の連絡の会話の切り替えの約束だ。無線なんかだと「どうぞ」とか色々あるんだが、俺はそこまで詳しい訳ではないので一番簡単な無言時間を入れるということにした。緊急時にはそんな約束事は吹き飛ぶかも知れないけどな。
「…取り敢えず、今日はこれ以上は侵入者は居なさそうだな…戻るか」
上昇した精神のステータスとMPのお陰で、小屋で偵察担当の時はもとより、外での殲滅担当時でも偵察スキルを行使して監視距離を伸ばしていたが、それでも
(…にしても、1週間近く毎日行使してたからか、偵察スキルのレベルが目覚ましいな)
ステータスボードを確認して弄ったのは依頼を受けてから2日目の午後だったか?…休憩時間中だったと思う。それ以降は
【技術】
固有:錬金術Lv1 武器精錬Lv2 道具精錬Lv1 薬精錬Lv1 鑑定Lv2 全言語読み書きLv1 偵察Lv4 自動回復Lv2 念話Lv1
汎用:盾術Lv2 剣術Lv2 対人戦闘術Lv2 土魔法Lv2 回復魔法Lv1
【装備】
出刃包丁+ 出刃包丁の鞘+ ジャージ上下 運動靴
行使していたスキルや魔法が微妙に伸びている中、一番使用頻度の大きい偵察スキルのレベルアップが目立っていた。使用回数だけがスキルレベルの上昇に関係していると思ったが、使用時間も関係していたらしい。尚、出刃包丁が+になっているのは、戦闘中に刃先が欠けてしまって修繕したら強度が上がって刃先が伸びて全体的に強化された、らしい。件の牛頭魔人の骨を強化素材に用いたのも良かったのかも知れない。
(あの時はカオルに時間を稼いで貰ってたが余り余裕は無かったんだよな…次はこうならないように気を付けないと…)
まぁ、念動力で数体まとめて拘束して貰っていただけだが。そんなカオルにステータスは…無い。従者召喚で
(従者召喚の仕組みがいまいちわからないな…。カオルは実在しない存在なのに、何故現れたんだろう?…うぅ~ん…)
世は、謎に満ちていた。
━━━━━━━━━━━━━━━
結局、特に問題が無かったので小屋に戻って合流してから村長宅に戻って報告して終わり。無事?に依頼完了ということとなりました。
次話は冒険者ギルド出張所に戻って報告からとなる予定です
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます