05 取り敢えず仕事行くぞ仕事!
シィナにカオルとの関係を尋問されて、あることに気付いて大声上げたらグーパンでのされた(理不尽過ぎる。そして相変わらず大雑把w)
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「はっ!?」
気付くと知らな…いや、知ってる天井だった。まぁ、ここ数日しか見てないけど。そして…
「すぴょぴょぴょぴょ…」
隣には小柄なボディに温かい体温を感じさせるいい匂いの元凶が…。ぴらっと毛布をめくると、可愛らしいいびき…か?…を上げながら寝ている空想上の人物が俺の寝床で同衾している。
「えっと…
取り敢えず、もう1人が部屋に突撃をかます前に脱出することにした。それはもう、全力で…まだ死にたくないもんでね!
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「ふぅ~、余は満足ぞよ…じゃなくて、腹いっぱいだ」
颯爽と逃亡した先。宿の食堂で朝飯を食い終える俺。一応、基本的に朝と夕方は飯が出る。昼は追加で支払う必要があるそうだが。他に、珍しく共同だが体の洗い場もある(風呂じゃなく、底の浅い大きめの桶にお湯を張って洗えるそうだ。場所代はタダだが、金を払って
「ん~、臭うな。風呂を使わせてもらうかな…」
よくよく考えると、最初に宿に入った日以来、全然体を清めてないことに気付く。こちとら育ちざかりの高校生…の体を持つ野郎だ。基本的に毎日汗を流さないと臭いがきつくなってきて当然だ。
「しゃ~ない…女将さぁ~ん!」
という訳で、誰も見たくないだろうから男子高校生(相当)のお風呂シーンはカットでw
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・
「ふぅ、すっきりした…」
ついでに着ている物も洗濯して…うん。何故か生えてきた生活用魔法スキルで洗ったり乾かして終わった。一向にこのスキルをあっさり取得するユニークスキル?…はステータスボードには現れないんだけどね…。ちなみに石鹸とかも持ってないんだけど、生活用魔法にボディウォッシュとかいう魔法があったので、頭からお湯をかぶった後はそれでキレイキレイしました。え?…お湯はどうしたかって?…まぁ何となく把握してるだろうけど、生活用魔法のお湯を沸かすのに便利な魔法が(以下略)
「さて、エンバートが王都?に
シィナさんとカオルさんがこっち来ない間に、な。どーせ2人とも相手を牽制して動かないだろうし…
- 冒険者ギルド・ハイミト村出張所 -
「冒険者ギルド「ハイミト村出張所」へようこそ!…って、ショウくんじゃないですか。依頼を受けに来たんですか?」
「え、はい。何か適当な依頼でもないかと…」
規模が小さめの村であっても村民だけではこなせない仕事とか害獣の退治など色々あるだろう。だが、掲示板を見た限り薬草採取の常時依頼は…何故か剥がされていた。50束の薬草を採取したことにより、暫くは不要と判断されたのだろうか?
「えっと…そうですね」
受付嬢がカウンターから出てきて掲示板へと歩み寄る。
「ん~…これなんかはどうでしょう?」
貼られていた依頼票の1つを剥がしてショウへと差し出される。そこにはこう書かれていた…
【害獣退治願】
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依頼主 :ハイミト村・村長「ドリア・ミートコン」
依頼内容:最近畑を荒らす害獣の退治を頼みたい
期 限:2週間前後
完了条件:1週間以上畑を荒らす害獣が現れなくなったことで退治完了としたい
備 考:依頼者は村長宅まで。そこで詳細を詰めたい(報酬含む)
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「え…村長直々の依頼ですか?」
依頼票を読み終えて受付嬢へ訊くショウ。受付嬢は既にカウンターへと戻っており、ちょいちょいと手招きしている。
「?」
俺は訝しげな顔になって呼ばれるままにカウンターへと歩み寄ると、
「此処だけの話し。これって今日貼りだされたばかりなんだけどね…どうもきな臭いっていうか初心者向けじゃない気がしてね…」
(きな臭い?…唯の害獣退治じゃないのか?)
「だから、初日から唯の新人じゃない実力を示した君に頼みたいのよ…実際、駆け出し冒険者たちに任せると返り討ちに遭いそうでね…」
きょろきょろと周囲を見てから話す受付嬢。どうやら保護者であるシィナを探し、居ないのを確認してから耳打ちしてるようだ。
(いや、
どの道、依頼を持ち帰ったらバレるんだけどなぁと穴の多い計画に苦笑いを浮かべるショウ。取り敢えず「請けます」といって依頼票にサインを貰う。
「じゃあ、村長にはこちらから連絡しておくから。準備もあるだろうし、1時間くらい後に依頼を請けた冒険者が向かうっていっておくわね」
とのことで、一旦宿に戻ることに。
- 宿泊してる宿へ一旦戻ります… -
「「ショウくんどこ~?」」
宿に戻ると、2人が泣きそうな顔になってあちこちひっくり返していた。いや、そんな小さいコップに俺が入る訳ないでしょうが…あ、女将さんがこっち睨んでる。
「う…後で片付けますんで、今はご勘弁願えないでしょうか?…すいませんすいません」
ぺこぺこと謝罪してから、2人の首根っこを掴んで足早に部屋へ連れて行く。部屋への道中、宿泊客の視線が物凄く痛かった&冷たかったことを記しておこう…orz
- 宿泊してる宿の部屋へ… -
「え~っと…何がいいたいかわかってると思うけど、取り敢えずそれはこちらに置いとく」
カオルさんが置いた荷物の振りをして、坂道を転がるボールみたいに転がって池にぼっちゃん!と落ちるパントマイムを披露する。いや、それって俺がやってたクソ面白くもないネタだよね?…何で知ってる…
「…あ~、2人があちこちひっくり返して散らかしたのは後で片付けな?絶対やるように!」
「え~!?」っと上げる非難の声をスルーし、続けて依頼の…仕事のことを話す。
「それって…ん~、今ごちゃごちゃ話して推測だけ積み上げるのもアレか…わかった。村長さんの所に行って詳しいことを聞きましょう」
シィナさんがいつも?の冷静なシィナさんに戻って頷く。ほんと、ここ2日ばかりポンコツな所ばかり見ていたので…ま、それはいいや。
「依頼…お仕事?…それってわたしも付いてっちゃダメかな?」
カオルさんが想定内の発言をする。まぁ宿に残っててもやることが無いだろうし、付いて来たいというなら近くに居てくれた方が対処のしようもあるだろう。
「いいよ。但し、シィナさんのいうことをしっかり聞くこと。勿論、俺の判断に従うことも含めてね?」
「はぁ~い…」
従者召喚で
「じゃあ準備もあるから…そうね。10分後に宿の前に集合。いいかな?」
シィナの言葉にショウは頷き、カオルは「はぁ~い!」と手を上げて応じるのだった。
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取り敢えず予定通りサブタイ回収(いつもは仮決めして書いた内容次第で変更してたりして。シィナ視点サイドは楽だった…ほぼ固定なので(苦笑))
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