03 彼女はヒトではなかった…が、美少女だった!(意味わかんない)
一夜明けて、起きたら美少女が同衾してて、シィナさんとファイトしてた(意味不明)
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- エンバート、そしてショウの苦悩 -
「はぁ…お前らなぁ。朝っぱらから暴れんな!…宿から追い出される所だったんだぞ!?」
非常に疲れた表情のエンバートが俺たちを見て溜息を吐いている。いや、俺は何も暴れてないんだが?
「おいそこ!…「俺は関係ありません」てな顔してるが同罪だぞ?…原因の1つでもあるんだからな!!」
的確な突っ込みをするエンバート。普段の脳筋からは考えられない程だ。パーティーで起こったトラブルの火消し役は普段ならシィナなのだそうだが…今回はポンコツ・シィナが暴走していたせいで渋々火消し役に回ったのが実情らしい。
「…ってことで、お前ら反省な?…あぁそれとショウ、こっち来い!」
くいくいと人差し指を動かし、顎をしゃくって部屋の外へ誘導するエンバート。俺はいわれるが儘に部屋の外へ。残された2人は何してるかって?…床に正座して紙にペンで反省文を書かされている。取り敢えず宿の女将に提出する分を10枚程だそうだ…俺も学校で何かやらかした時は書いてたっけ…。せいぜい数枚…いや、2~3枚くらいだったけどな。
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「で…ありゃあ何だ?」
宿から出てからの誘導先…念の為に100m程は離れている。2人に聞かれない為だろうか?
「何って、何が?」
取り敢えず
「とぼけんな。ありゃあ…
(ありゃ?…違う方向で勘違いしてるな…。でも人造人間には変わらんよな、それ…)
俺はエンバートが訊いてくる内容を大まかに理解して、どう返すか悩む。ホムンクルスだった場合、何か忌避すべきことがあるのだろうか?…と。
「ん~、いや俺も知らないんですよ。昨夜ベッドで寝て、起きたら居たんで。あれってその…ホムなんとか、なんですか?」
取り敢えず知らない
「そうか…。ならばどこかの研究室から逃げ出して来たのかも知れんな…」
(え、なにそれ…ていうか、人工生命の研究所なんてあるんだ…)
脳筋であるエンバートではあるが、貴族に属するシィナさんと行動してるからか意外と博識なのかも知れないな…。などと失礼なことを考えていると、
「取り敢えず、俺はギルドに行って逃げ出したホムンクルスやそれに属する情報が無いか確認してくる。戻ってくるまでは、
といって来た。俺は驚いて
「え?…あの出張所で調べる程情報があるんですか?」
と訊くと、
「いや、中央の…王国首都にあるギルド本部で調べてくる。普通に往復しても1箇月は掛かるからな…その間、頼むぞ?」
というが早いか、村から出る唯一の手段…定期馬車便のある村の出入口へと向かって歩き出すエンバート。これから向かえば午前の便には間に合うそうだが…
「王国首都って名前そのまんまなのか…」
と、どうでもいいことを呟く俺がいた。尚、このハイミト村が所属する国の名前はヤーパンというらしい。元の世界でも日本のことをそう呼ぶ外国があった気がするが、今となってはどうでもいい…か。
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「あ、お帰…り……うっ、足が…足がぁっ!!」
部屋に戻ると、反省文を書き終えた2人が痺れた足を押さえ…ようとして触ってしびびんびん!…と痺れる足に悶え、転がっていた。元に戻るにはじっと静かにしてるのが一番なのだが…見てると面白いので眺めてたら物を投げつけられました…痛ひ。
- 10分経過… -
「はぁ…はぁ…酷い目に遭ったわ…」
うーん、2人とも容姿は違うのに姉妹か?って思っちゃう程に行動パターンが似ている。
「ショウくん、悪いんだけどこれを女将さんの元に届けてくれる?」
ベッドに寝転がりながら2人分の反省文を託され…投げつけられる。うーん…俺も何かいわれそうだから余り会いたくないんだけど…2人とも動けないみたいだし、仕方ない。
「わかった…大人しく待ってて」
目を離してる隙に暴れられても困るので、ぢぃ…っと目を見ていい聞かせる。シィナさんは無言で頷き、カオルさんは…
「う、うん。わかった。待ってるね?」
と、頬を赤く染めてぷいっとそっぽを向くが、口では素直に返事を返してくれる。
(なにこのかわいいいきもの…)
…と、知能指数低下したような台詞を脳内でほざいてから、
(取り敢えず、暫くは大丈夫…だよな?)
やや不安になりつつも、10枚に満たない紙束を持って女将さんの待つ場へと向かう。
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「…ん、わかった。これに懲りて暴れないようにね?…次は無いからね」
反省文を読み終えた女将さんがバサっと紙束をカウンターの下へ突っ込んで仕事に戻る。ちらと向けた目が無茶苦茶怖かったことを証明しよう!…彼女は怒らせてはいけない、と…。そんで俺は、
「は、はい…よぉくいい聞かせます。では、失礼します…」
と、Uターンしてその場を後にする。村で2軒しかない宿屋だ。追い出された暁には村を出ることになるだろう…多分。もう1軒の宿屋で泊めてくれるという保証がない訳だし村というのは噂が尾ひれ羽ひれが付いて無暗矢鱈と誇張されるもんだから、次の日には泊めてくれないなんてザラだろうし…
「まさか、部屋の家具が殆ど全損するとか思わなかったわ…」
流石に壁や床は破壊されなかったが(それでも多少の傷はついた)、テーブルや椅子、置かれていた小物などが徒手格闘で粉砕されてしまったのだ。
(シィナさんって確か弓師であり、精霊魔法の使い手だったよな?)
職業は確かそうだった筈と思うが、まさか近接格闘もこなすとは思いもよらず、思わずガクブルするショウだった。
・
・
「ん…何だろ?」
部屋の前に着き、ドアを開けようとすると中から声が聞こえてくる。ショウはそっとドアに耳を付けて中の様子を伺うと…
「…あなたって、ショウくんに召喚された英霊なの!?」
「ん~…ちょっと違うかな?記憶にある情報によれば、「従者召喚で
「えぇ~っ!?…それって伝説の召喚魔法じゃないっ!」
…などと秘密がバラされ放題だった。ドア越しでこれだけ聞こえているということは…
(不味いな…もし、諜報専門職なんかが居たら聞こえ放題じゃん…。こんな田舎にそんなのが居るかどうかは不明なんだけど…てか居ないかな?)
暫く悶々としていたが、話しの区切りが付いた所で取り敢えずドアをノックするショウ。
こんこん…
「は~い!」
との返事の後、ドアが開け放たれて
ドガァン!
「げはぁっ!?」
どしゃっ!…ずるずる…
「ぐっ…うぅ………」
思いっきりドアに突き飛ばされたショウはドアに鼻の頭を強打して反対側の壁に激突した後、壁にも激突してずるずると崩れ落ちて悶絶しながら苦悶の呻きを上げる羽目に遭うという…南無ぅ!
「こら、ドアは静かに開けるの!…って、あちゃ」
カオルが思いっきりドアを開け放ち、シィナがカオルに注意をいいつつ悶絶するショウを見て駆け寄る。
「だ、大丈夫!ショウくん!?」
駆け寄って抱き起すシィナ。
「うう…酷ぇ…」
抱き起され、折角のいい匂いを堪能できる機会なのに鼻から出てる血のせいで血臭しかしないショウ。
「てへぺろ!…ごめんねぇ~!」
傍から見れば全然反省の色が見えないカオル。ショウはエンバートの言葉もあり何とかしたいとは思っていたが…
(…やべぇ。こりゃ想像以上に前途多難だぞ…)
想像以上の難易度クエストを強制的に請け負った気分になり、がっくりと項垂れるしかなかった…合掌。
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「問題しか起こさない相手にどうやって問題を起こさずに日々を過ごせと!?」と、誰も居ない草原で叫んだとか叫ばなかったとか…。きっと、胃がキリキリと痛み、頭が禿げ上がることでしょう…(南無)
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