02 美少女が降臨!…般若も覚醒!?

初依頼から帰還した翌朝、ショウが目覚めた部屋に美少女が降臨!(同衾してただけだが)そして、シィナに目撃されて追い込まれるショウ!…果たして、ショウは生きて帰れるのか!?(いやどこに帰ると?w)

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- ヒロインはヤンデレ体質!? -


「ショウくん?…その人、どちら様なのかしら?…紹介してくれない?」


ショウの部屋に突撃したシィナが見たモノは…


「ほよ?…あ、ショウくん。お早うございます!」


ぽやんとしたまなこをひとこすりし、抱き着いていたショウを確認するとマイペースに朝の挨拶をする美少女だった!!


「か…かおる、さん?」


ショウは恐る恐る、ゆっくりと、目の前の彼女に名を問う。


「ん?…うん、そうだよ。多嶋 薫たじま かおること、カオルちゃんだよ?どうしたの?」


ショウは混乱していた。起きたら幾つかのスキルを取得していたのはいい。こちらに転移してからそんな調子だったからだ。だが、しかし、これは…と考えていると、シィナがいつの間にか近くまで来て問う…いや、尋問を開始するw


「いい加減、答えて欲しいのだけど?」


襟元えりもとを掴んでぐいっ!と引っ張る持ち上げるシィナ。いきなり襟元を掴まれ、冷たい表情で腕力に任せて持ち上げられて苦しそうな表情をあげるショウ。その様子を見ていたカオルは…妙に艶めかしい表情をしていたが、瞬時にその表情を険しくしてその腕を突っ撥ねた(そしてショウくんはその反動でベッドに叩き伏せられました…(苦笑))


「どちら様かしら?…ショウくんに乱暴を働かないで欲しいのだけど?」


シィナの腕をはたいた後、さらっと自身の髪の毛を弄るカオル。彼女はショウがリアル高校生の頃、人物イラストを趣味で描き始めた頃に初めて描いたオリジナルであり、最も長く描いていた人物でもある。設定は事細かに作ってあり、創造主でもあるショウにとって思い入れのあるキャラクターだ。確かに取得スキルに従者召喚があったが…自身が無意識に行使して召喚しているなど露とも思ってなかった彼は…


(まさか…確か「人形」を召喚するって書かれてたけど…これ、殆ど人間と殆ど変わらないじゃないか…)


シィナの腕から解放された後、再びカオルの腕の中に戻った彼は…先程から腹から胸の辺りにぽよんぽよんと触れているカオルの豊か…いや、年相応のバストの感触に我を忘れて愉しんでいたw…高校生ならば正常な反応なのだろうが…


「…はっ!?…って、え?」


我に返ったショウが見た物は…シィナとカオルの壮絶な睨み合いと、応酬する口撃だった!


(あれ?…俺の作ったカオルさんて…こんな性格だったっけ?…あれ?)


シィナと口で争うカオルの一面に狼狽えるショウ。そして終わらない口論にふと気付くとドアの外に野次馬の目があることに気付き…


「ちょっ!…ふ、2人とも喧嘩は…俺の為に争わないで下さい!!」


既にショウから離れたカオルがシィナとばちばちと視線ガン付け攻撃を交えており、そんな台詞を吐いて間に飛び込んだショウは…ついに手が出た両者のグーパンチに顔を挟み込んで…そのままずるずると崩れ落ちてノックアウトするのだった…合掌。



やけに近い所から声が聞こえる…


(ん…何か聞こえるな…女の子の…泣き声?それに、何だか後頭部が柔らかいというか温かいというか…)


さっきから同じ体勢で寝てたからか、背中が痛いというか…。おもむろに寝返りを打つ。


「きゃあああっ!?エッチ!!」


ばきぃっ!


「うがぁっ!?」


頬を叩かれた。力を思いっきり入れたグーパンチで。そして再び意識は墜ちていく…



「うう…俺が何をした…」


ようやく覚醒したショウは、頭をさすりながらベッドから起き上がった。隣にはシィナが。反対側には先程目撃した美少女が、居た。


(これって…やっぱアレだよなぁ…)


一番上手く描けた最後のイラストの姿そのまんまの、本来の設定年齢より少々低い15歳のカオルがそこに居た。ちなみに最初に描いていた外観年齢は17歳だ。ショウの腕が安定してないせいで15~17歳をふわふわと行ったり来たりしていた訳だが…


「久しぶりだね、ショウくん!」


「あ、はぁ…」


(久しぶりて…確かに描かなくなって結構経つけど…)


鮮明になってきた記憶によれば、高校を卒業して会社員として働きだしてからは滅多にイラストを描かなくなっていた。流石に学生の時より自由になる時間が減ってきた上に一定の収入が入るようになってパソコンやらゲームやら買えるようになり、遊ぶ時間が増えてイラストを描く時間は反対に減っていき…結局ペンを持つことは殆ど無くなったからだ。


「でも、こうして会えたんだし…ずっと一緒に居られるよ、ね?」


真っ直ぐに目を見て、どストレートに想いを伝えてくるカオル。表向きは質問の形を取っているが、真の意味では絶対に離さない、離れたくない…ということだろう。


(あるぇ~?…何かヤンデレっぽく見えるんだけど…気のせい…かなぁ?)


ふと気付くと、室内でドアを閉め切ってる筈なのに室温が冷えてきた気がする。心なしか風が…吹いている。


「え…シィナさん?起きてる?…っていうか、風の魔力が暴走してませんか?」


隣のシィナの体から、風の魔力が駄々洩れだった!


「ショ、ショウくん?…ちょっといいかしら?」


こちらの世界には存在しないであろう、般若の影がシィナの背中から見えた気がした。既に太刀は抜いてギラリと光っていた…。


「ふぁっ!?…ちょっ、シィナさん?…お、落ち着いて!!」


不意に、ゆらりと立ち上がったシィナからスタnd…もとい、般若が実体化しかける。これ、何のSFX!?


「ん?…ショウくんに悪意を向けるのなら、敵ね!」


カオルがベッドから飛び降りてファイティングポーズを取る!


〈れでぃ~、ごぉ~!〉


何処からともなく、某ストリートファイトなゲームのゲーム開始の掛け声が上がり、ショウの寝起きする部屋は戦場となった!!


「ちょお待って!こんな所で戦わないで!?」


そう叫んだショウの声は2人には届かない!…そして、何事かと様子を見に来たエンバートが片方を止めるまで、バトルが続いたのだった…合掌w


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ジャンルが変わっている気がするけど、気のせいです(ちょっ

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