第1章 転生した…いや、俺じゃなくて世界が!(俺を含めて誰も気付いてないけど)

異世界転生したと勘違い

01 世界消滅

巨大隕石急接近!地球の、人類の運命はどうなるのか!?(あらすじでバレバレだけど一応w)

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- 主人公の独白 -


俺は…いや、今は名前を正直には話したくない。だから…仮の名前ってことでショウって呼んでくれ。正直、何も話したくないんだが…話さないと先に進まないので話そう。


今…いや、今まで俺は生まれてからこっち、集団生活をする場では所謂いわゆる虐めを受け続けていた。保育園から小学校、中学校、高校…そして、社会人になってまで…。社会人になり、過去の虐めは性格から来る虐めだろうと推測できたが。流石に小学校の頃の記憶は薄れていてよく覚えてないのだが。親から聞いた話では、


「わからないとわーわー叫んで授業を邪魔したりしていたそうよ?」


…と、どうやら自分が原因で虐めが始まったようだ。流石に自業自得なのでそれに関してはしょうがないな…と思っていたのだが。


中学校にあがっても虐めは継続しており、小学校のメンツから中学校では他校の生徒も加わってエスカレートしていった。流石に高校は知らないメンツだらけだったし、自分でも気を付けていたつもりだったのだが…。虐める奴のメンタルはみな似てるようで、自分という獲物を嗅ぎ分けて虐めてくるという結末に至った。流石に近年のように陰湿な奴が居なかったのは幸いであったが、陰湿な虐めが続いていたら、俺はこの世に存在していなかったかも知れない。


だが、まさか…俺じゃなくてこの世界が先に消えるとは夢にも思わなかった。そう、あの夜。この世界…というより、地球という惑星は木っ端微塵に破壊されて消え失せてしまったのだ。俺を除いた全人類、全生命体を巻き込んで、だ…



- 地球近傍・某所 -


「いやいやいや! なんじゃ、あれは!?」


地球を監視していたとある超次元生命体…所謂「神」の1柱が地球に飛来する巨大な隕石を発見する。神といっても地球を管理する者に過ぎず、その能力は然程大きくはない。


「どうしたの?大騒ぎしちゃって…」


「おお!ちょうどいい所に。これを見てくれ!!」


もう1柱の神が現れる。女性体…所謂女神だ。


「どれどれ…何これ!?」


女性管理神は指差されていた監視鏡に映る巨大隕石に気付き、横に映っているデータに目を走らせると…あと1日で衝突。そのまま進めば間違いなく地球を破壊する…と確認する。そして、今すぐ対処をしようにも間に合わないとも、2柱の権能を合わせて攻撃しても破壊することが叶わないということにも…


「これは…もうダメね。ていうか、どうして今まで気付かなかったの!?」


「いや…気付くも何も、ずっと監視しておったんじゃが…いきなり現れたんじゃよ」


「いつ?」


「ついさっきじゃ…」


そして沈黙する2柱は、そのまま巨大隕石が地球へまっしぐらな様子を黙って見ていることしかできないのであった…



- その頃の地球… -


その頃地球では大パニックが起きていた…当然だろう。常に宇宙そらを監視している天文台などは突如として現れた隕石を認めるや否や、各方面へと連絡を取る…が、たったの1日ではどうにもならなかった。TV局でも既に視認できる程の大きさの隕石をニュースで報道するが、見たままを無駄に垂れ流すばかりで決めてに欠けていた。何処に避難すればいいのかわからずパニックを起こした一般人は右往左往するばかりで…とにかく遠くへと逃亡する人たちの車で車道は一杯になり、慌てた者たちの無謀な危険運転で衝突事故を起こし、悪戯に災害を拡大するだけであった。富裕層は兼ねてから用意していたシェルターや無人島などに避難を開始する。一部の人間は宇宙へと逃亡するためにロケットを用意させる準備を始めていた。だが、とても1日では用意を完了することはできなかった…



やがて、隕石自らの質量が生み出す重力の影響に入った地球は、徐々に大気圏内の空気がかき回され始めて全世界が暴風圏と化し、脆弱な建築物はその時点で全て崩壊した。隕石の重力の影響…強力な潮汐力で超巨大な津波が発生し、海沿いの都市部などはもとより、海岸線から津波に飲まれた内陸部に及ぶほぼ全ては全滅した。そして、地下のマグマ層は活性化し、休火山を含む火山は噴火を開始。山に近い地域はマグマや火砕流が押し寄せ、全てを焼いて痕跡を残さず押し流してしまった…


地上を逃げ惑っていた人々は暴風や火山の影響で死滅した。もとより、暴風によって飛び交う物に激突されたり風に飛ばされて落下死する者の方が少なく、火山の活動によって異様に上昇した気温で肺を焼かれて窒息死する者の方が多かった。また、シェルターに避難した富裕層は地上の者が殆ど死滅した後に死ぬこととなった。何故か?…それは、隕石の衝突によって地殻を粉砕された瞬間に命を落とすこととなる。正確には衝突の直前、重力の影響で地殻を歪められ、シェルターごと圧し潰されたのだが…正確な理由なぞどうでもよいだろう。偶然にもそのタイミングで死なずとも、隕石の直撃で死ぬことには変わらなかったのだから…


ロケットの用意を進めていた宇宙センターではロケットが暴風によりことごとく薙ぎ倒され、付随する建造物も暴風により運ばれていた大小様々な飛来物で砕かれていた。待機していた一部の者たちは建造物と道を共にし、国のお偉方や軍の上層部の人間は慌てて頑丈なシェルターに避難していたが、通常規格のシェルターに避難していた富裕層と道を同じくして、みな命を落とした。


…こうして巨大隕石が現れてから1日の後、予定通りに地球に衝突。その躯体は砕けてその生涯を閉じた。もし、誰かが遠くから見ていれば…巨大な爆弾が爆発して粉々に吹き飛んだような様子が見れたであろう…


追記すれば、国際宇宙センター…低軌道に浮かぶ簡易コロニーだが、地球に接近する巨大隕石の重力に引っ張られ自壊してバラバラとなり、中に居たクルーは逃げる猶予もなく死亡した。仮にシャトルが駐留していたとしても、帰還すべき母星があの状況では大して差は無いだろう。



- 地球近傍・某所2 -


「消えて…しまったな…」


「…そうね…」


2柱の神が呟く。唖然茫然といった様子で、動く気配がない。


「どうしたもんじゃろうな…」


「えぇ…」


矢張やはり、微動だにしない。口は動くが体を動かそうとしない神たちは、ふとあることに気付く。


「…え?」


「どうしたんじゃ?」


「あれ…何?」


「あれ、とは?」


2柱の見る先には、砕け散ってしまった筈の地球がった。先程の豪快な爆発ショーが冗談だったかのように、手品で一瞬消されて再び現れたかのように…


「「な…」」


あんぐりと口を開けて呆ける神たち。但し、再生された地球は元のままとはいかず、同じ文明は存在していなかった。ただ1人、主人公を除いて全く違う地球が再生されていたのだった…。


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キャラクターが異世界転生や異世界転移する話しが溢れてる中、世界地球が転生する話しは無かったよなぁ…と思って書いてみた。後悔はしてない(謎)

※一応本編は完結していますが、文章的に変な部分や誤字脱字を修正しています(話しの大筋を変更する予定はありませんが、気が向けば加筆修正するかも知れません)

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