第3話

「あの、その!綺麗です……。本当に」



「……ありがとうございます。亮介さん」



お世辞で言ってる訳ではないと分かるぶん、こちらの恥ずかしさも倍増して目線を外してしまう。



「みちるさん、素敵です」



きっとあなたはこんな風に言ってはくれないだろうな。



せいぜい良くて「馬子にも衣装」かな?



そんなことを思って小さく笑いがこぼれた。



「みちるさん、どうしました?」



「いえ、なんでも」



そんなことを思っているとまた控え室の扉がノックされた。



「はい、どうぞ」



「失礼します!みちるさん!この度はおめでとうございます!」



慌ただしく入ってきたのはお義母さん。



「いやぁ、こんな可愛いお嬢さんがお嫁に来てくれるなんて、本当に涙が止まらないわ」



お義母さんはもう既に目に涙を溜めてわたしの手を力強く握った。

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