第2話

上質なベールに彩やかなブーケ。



左薬指にはキラキラと輝く指輪。



それから純白のウェディングドレス。



小さな頃からの夢だったお嫁さま。



その夢を話したらあなたは「誰か貰ってくれるヤツがいるといいな」って鼻で笑ってたっけ。



鏡に映る自分を見ながら思い出してしまうのは憎たらしいほどにあなたのことばかり。



あぁ、こんな素敵な日に嫌な思い出が頭を駆け巡ってしまった。



ブンブンと頭を横に振り脳裏から追い出そうとしていると控え室の扉からノックの音が聞こえた。



「はい、どうぞ」



「失礼しま………」



入ってきた人物はわたしの姿を見るなり言葉を失っていた。



「ちょっと。何とか言ってくださいよ」



「わわわ、ごめんなさい、!あまりにも綺麗で…見惚れちゃいました」



「恥ずかしいですよ」



素で顔を赤くして照れている彼にこちらまで恥ずかしくなってしまう。

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