「運命は、果たして幸いか禍か。」(本文より)
運命、という名の強制力が働く世界。
この力に抗うこともできずに飲み込まれ、その行き着く先は。
確かな筆力で紡ぎ出される物語に引き込まれ、いったん読み始めたらラストまで一気読みでした。
糖分多めで甘々な恋愛話はもうお腹いっぱい、普通のハッピーエンドじゃつまらない、という方には是非おすすめ。意外な展開と結末が待っています。
もちろんそうじゃない方にも読んでみてほしい。深い淀みの中に、キラリと光る宝石のような糖分しっかりあります!いや、よくよく考えると、糖分ばかりかも……?
しかし、注意して下さい。ストレートには甘くありません。
コンパクトにまとまっているのに、深くて、しみじみ良いと思えて、何度も読み返したくなる、そんな物語です。
私は好きすぎて、何度再読したかしれません。もう尊すぎる。