「噂」
現在、ゴーダム
毎日、複数の部隊が
だから本日、早朝に帰還したチャダ中隊などは毎日帰ってくるたくさんの部隊のひとつでしかなく、本来なら注目されるはずもないありふれた部隊のはずだった。
しかし、このチャダ中隊の帰還はすぐに騎士団中の話題になった。
「チャダ中隊は二つの盗賊団と接触したらしい」
「そのひとつは
「
ひとつの盗賊団を処理できない騎士団の実力を
注目されたもうひとつの理由は、騎士団に久々の
そして、騎士団が今回のチャダ中隊の任務について最も注目を引いている理由は――。
「二十四人
騎士たちは
「ああ、もうそりゃ、すげぇ
チャダ中隊に従軍した騎士たち――特に従兵として参加した騎士見習いたちの口は軽かった。
「死んだマルダムを見た
「兜と盾を捨てた?」
そこからが
「矢が飛んできてたんだろ? 前と後ろから」
「ああ……特に前からの矢が
「それはともかく、そんな
「矢の雨が降ってる時に兜と盾を捨てるなんて自殺
「それで、その兜と盾を捨てた時の吠えてる様子って」
「それだ」
会話の輪の中心にいる騎士見習いが、わずかに
「
「矢を放っている相手にか」
「ニコルの吠えた声に盗賊たちは
ぶる、ぶるると騎士見習いの
「……それから、もの凄い
「う…………」
自分たちがその盗賊の立場になってみたら――そう想像すると騎士見習いたち全員が背骨をひとつ、大きく震わせた。
「それで盗賊たちはニコルを倒して
仲間の戦果を『皆殺し』と表現したこと、されたことにその場の騎士たちは特に異議を唱えなかった。それが最も
「俺たちが
「あの
「
「……
「――へっ」
「あいつが? 二十四人も
一回の戦闘で一人がそれほどの人数を倒すというのは
しかも十四
このような話は
「ま、奴の顔でも見てやるとするか。それで事実かどうかわかんだろ」
ダクローは多少のイタズラ心を持って『騎士の棺』の方に歩いていった。
それがとんでもない事態に発展しようことなど、神ならぬ
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