「初陣・――刃の吶喊」
首の後ろから
――かに、見えた。
「マルダム――」
マルダムが、死んだ。
喉の真後ろから
初めて配属された隊の
何日も同じ仕事場で
この行軍においても同じだった。
共に並んで行進し、共に任務に
友だった。
ニコルはそうマルダムのことを思っていたし、マルダムも自分のことをそう思ってくれているだろう――その確信がニコルにはあった。
これからの数年間、それぞれの夢を果たすために手を取り合い、
そんなマルダムの時が、
自分の時と同じ速度で進むはずの彼の時が、秒針さえも動かさなくなったことに、ニコルの心が冷え切り、
――その反動は、〇・五後に
氷点まで
「うあ――――」
絶対零度にまで
それは、心にとっては、燃え盛る
「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「ニコル!?」
中隊の
心を
そんな
「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
大型の
同僚たちを跳び
「ひっ――」
自分が食われようとしている、という
「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「ひぅっ――――」
空気を切断するかという音を巻いて左から右に
二人の盗賊の肩から上、首から上がそれぞれに飛ぶ。血が太い柱となって噴き
ニコルの殺意に混じり気はない。彼に思考はなく、ただ、敵と認識した者は斬らなければならぬ、という
そんな彼が、騎士たちを
「ふぐっ!」「かはっ!」
サーベルの切っ先が残光を引いて半円を
ニコルが腕を振るう
「ば――化け物だ!!」
十人が斬り
そんな
仲間が斬られている間に
「ひィ――――――――!!」
斬られるよりも逃げられなくなったことが彼等の
心の全てを
騎士たちも例外ではなかった。
「ニ…………ニコル…………?」
特に、ニコルの
どこか少女の
何かに取り
それはアリーシャの後ろにいるチャダ正騎士も、
ただ、
「――――――――」
人の姿をした、人であろうはずがない少年の体がゆらりとひとつ揺らめき、彼の
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