「おやすみなさい」
王都エルカリナの
かつて女神エルカリナが眠り続け、リルルとその眠りを交替した
『――――リルル』
白い
『――あなたにひとつ、
あなたが再生した夢は、わたしが引き継ぐことができることを。あなたが
あなたに、世界を再生することに
そして同時に、もしもそれが成功したのなら、わたしと一緒に眠り続けてほしかったから。
ひとりで眠り続けるのは、
……でも、今は寂しくないの。
あなたを愛するひとたちの気持ちを、たくさん、たくさん連れてくることができたから。
あなたに
白銀の寝台の周りを、五百個を超える数のぬいぐるみが取り
その全てが、世界を支えて眠るリルルのために彼女の友人知人たちが
『あたたかい……リルル、あなたが創ってくれた夢はあたたかいの……。あなたが愛する大切なひとの心がいるから……。
そしてなにより、あなたの心がいるから……』
そんなたくさんのぬいぐるみの中で、女神エルカリナに
ニコル、フィルフィナ、サフィーナ、ロシュ。――そして。
幼い少女の首筋に顔を寄せて抱かれる、リルル――。
『リルル……リルルのみんな、覚えていて。
この世界が人の愛であふれる世界なら、わたしは目覚めない。人の胸に優しさがあって、みんなが愛し合えて、
だから、リルル。
リルルのみんな。みんなのリルル。
リルルの
リルルの願いを、広げて。
自分たちの世界を、愛してあげて。
自分たちの心をつなげ合ってあげて。
もう二度と、わたしが目覚めることのないように。
わたしに
そして、リルル。
あなたは生きて。
あなたの力の
いつか終わりが来るその瞬間まで、あなたらしく、リルルらしく生きて。
それが、友達としての、名前のない女の子からの願いなの。
もしかしたら、いつかまた再び、あなたの
わたしはその奇跡を信じて、楽しみに待っているの。
じゃあ、リルル。わたしの大好きなリルル。
おやすみなさいなの――』
◇ ◇ ◇
「おやすみなさい、エル……。私の大好きな、ちっちゃくて、
フォーチュネット邸のバルコニーに立つリルルが、王都の夜空を見上げ、
かつて、宇宙に浮かんだ王都でふたり、
「エル。わかるわ、あなたの願い。だから、私はあなたの願いを
ゆっくりおやすみなさい、エル。そして……いい夢を……」
そのいい夢を創り、守り続けるのは、これからの自分たちなのだ。
「私は、生きる。息があがって終わるその瞬間まで、
あなたのために。私のために。私たちのために。
――ありがとう、エル。またね……」
テーブルに置いていた手提げランプを持ち上げ、リルルはスカートを
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