第11話 マッサージ・前半

イタリアンレストランで食事を取る私達。

辻副院長が誘ってくれて、私は猫のようについていった。


そして、お勧めのワインバー辻副院長と私でワインを交換しながら飲む。

美味しい…。

ワインと副院長の美しさに酔う。地味な服を着る私にとって、お洒落な服装で所作も美しい副院長に、私は本当に酔ってしまう。


「烏龍茶ください。」


店員さんに何度かソフトドリンクをオーダーして、泥酔しないように自制心を保つ。


「飲みすぎたの❔ここのワインは美味しいから、ペース配分しないとあっという間に泥酔してしまうからね。」


副院長はほとんど酔っていないように見える。強いのか、ゆっくり飲んでいるのか。大人だ。


「今日は私の家に泊まる❔その酔いだと、危ないと思うから。」



タクシーで副院長の家へ。副院長の家は一人暮らしなのに戸建だ。

副院長にご主人はいない。数年前に離婚したという。

副院長は素敵な人だが、何か裏の顔があるのだろうか。


リビングのソファに座るように促される。

副院長は私の隣に座る。

本当に美人だ。

肩まで伸びた髪の毛を一つに束ね、肌や髪の毛は艶々。身長は私より少し高いくらいで。出るところは出ている。


副院長が私の髪に触れる。

それがあまりにも気持ちよくて、うっとりする私。

「手に触れてもいい❔手のツボを押すから。」

私がはいと答えると、副院長が私の手に優しく触れる。

副院長の手はつるつるしており、温かくて柔らかい。

手を揉まれる私。気持ちいい。

副院長の手は前腕へと移り、揉み上げていく。そして上腕。気持ち良すぎて声が出そうだった。

副院長の手が離れた。これで終わりなのだろうか。


「副院長…。」

「職場以外では辻でいいよ。それより、確認したい事が。」

「なんでしょうか。」

「アロママッサージしても良い❔」


私がうなづくと、辻さんはベッドにうつ伏せになるように促した。

辻さんは手にオイルを取った。

その手は肩から腕、両脇に滑らせ、背中を覆うようにオイルを塗る。

肝心なところはタオルで被せてある。

大腿から脹脛まで手を滑らせる。辻さんは一連の動作を丁寧にやってくれる。


私は目の前にある枕にしがみつく。声が出そうだから、必死に耐えた。


次は仰向け。

胸から恥骨までタオルがかけられる。


「乳がん検診もするね。」

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